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歌舞伎

2011年10月20日 (木)

坂東玉三郎特別舞踊公演




「坂東玉三郎特別舞踊公演」を観に日生劇場に行ってきました。
歌舞伎座さよなら公演最後の演目、「助六」以来だから1年半ぶり。
玉さまあまり東京で活動していなかったし、
今年初め海老蔵の騒動での急遽の代替公演チケットはあっというまに売り切れ。
悔しい思いをしました。
今回は産経リビングから割引の案内メールが来たので即ゲット。
2階の3列目で舞台はよく見渡せるのですが、やはりちょっと遠かった。
もちろんオペラグラスをしっかり持参しましたが。

Tamakeisei

今回は3つの舞踊、「傾城」「藤娘」「楊貴妃」
舞踊なのでそれぞれの時間はあまり長くはなく、休憩のほうが長いくらいでしたが、
一人で回す舞台なので準備に時間がかかりますよね。
最初の「傾城」が始まった時から、もうずっと鳥肌です。
何と言ったらいいのか、もうボキャ貧と言われようともただただ美しい・・のひと言なんです。
あまり美しいものを見ると泣けてくるのですが、何度かそれに襲われました。
あの美しさは「奇跡」の部類。
「助六」の時もそうだったけど、オペラグラスを持つ手が硬直して離れない感じ。
全体像も見なくちゃと思うのだけど、8割はオペラグラスで観ていたかも。

何が素晴らしいって、表情なんですよね。
クリアでいて、時に紗がかかったように、あるいはスローモーションのように、
表情が変わっていく。
硬質なクリスタルのような表情が、次の瞬間花が開いたような微笑に変わる、
ゾクッとするのは、魔に魅入られる、というような部分も確かにあるからなんでしょう。
それなのに周囲を見ると、オペラグラスを持っている人は数えるほど。

え~っ!もったいない。
他人事ながらヤキモキして、おせっかいにも隣の女性二人連れに、
「アップでご覧になってみませんか?」とオペラグラスを押し付けちゃいました、(笑)
(とても喜んでくれましたけど)

Tamasama2

踊りの良し悪しをどうこう言える立場じゃないけれど、全体があれだけ完璧に美しいということは、踊りも完璧なんじゃないかと。
そういえばずっと観たかった「藤娘」
実は私もほんのちょっと日本舞踊を習ったことがあって
(友人には「似合わないわよ~」と一笑に付されましたが)
「藤娘」も少し習いました。
でも当時はその踊りの心みたいなものが全然わからなかった。
今回玉さまの藤娘を見て、その振りが何を表すのか、
その心が手に取るようにわかったのにちょっと驚きました。
まあ歌舞伎座に何回も通って踊りも色々観たので、
知らずしらず勉強になっていたのかもしれませんが・・
それにしても本当に素晴らしいです。
藤の精、傾城、楊貴妃、それぞれそれ以外の何者でもなかった玉さま。

Tamasama4 

幕が閉じると拍手は鳴り止まず、
何度ものカーテンコールで優雅に応える姿、同時に観客への真摯な思いが伝わってきて胸を打たれました。
歌舞伎座さよなら公演では家に帰らず
歌舞伎座に寝泊りするほど全身全霊を燃やし尽くしたと聞きますが、
そのストイックなまでの情熱が熟成してあれほどのオーラを生むのでしょうね。
あれほどの人は今後当分出てこないような気がするし、
だとしたらその舞台はどれほど貴重なことか。
こっちももう若くないし、機会が許す限り「追っかけ」しなくちゃとつくづく思った次第です。




ところで日生劇場ですが、海底をモチーフにデザインされたそうで、
曲線を生かした壁の構造、レトロなタイル張りなどちょっと変わった雰囲気が新鮮でした。
そんなことは全く覚えていませんでしたが、実は40数年前の高校生の頃、一度行ったことがあるのです。
劇団四季の「白痴」を観にでした。
その公演の主役ムイシュキンに抜擢されたのが新人の松橋登で、
それを紹介した新聞記事の彼の写真を見て雷に打たれたようになり、
どうしてもどうしても彼を見たくて・・(笑)
その後松橋さん、TVや映画でも活躍されていましたが、今はどうされているのかしら?confident

Tamasama3_2








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2010年9月 4日 (土)

歌舞伎座・さよなら公演メモリアル



ぜひ作っておかなくちゃと思いつつ、
なかなか手をつけられなかった歌舞伎座の写真整理、
ようやく「マイフォト」にまとめました。
写真選んでも100枚以上あるので少しづつ・・と思っていたのですが、
始めると一刻でも早く終わらせたくて。
おかげで首と肩がガチガチ・・・crying
どうせ9月だというのにあり得ないこの異常な暑さのため、
一日中エアコンの部屋に幽閉状態ですからちょうどいい機会だったかも。
もはや「なつかしの」になってしまった歌舞伎座、
お好きな方はのぞいてみて下さいね。

歌舞伎座・さよなら公演メモリアル



K43
















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2010年5月 1日 (土)

さようなら、歌舞伎座。


御名残4月大歌舞伎、歌舞伎座での最後の公演もとうとう終了。
チケットが取れないと大騒ぎしたわりには、第一部から三部まで、
全部見ることができました。
第二部は早くから取れていたので行く前日にwebs松竹にアクセスして、ほぼ必ず出る第一部も無事ゲット。
別の日、「空席なし」にもめげずアクセスを繰り返して何とか第三部をゲット。
最後に第三部をもう一度どうしても観たくて、日がな一日PCにはりついて更新を繰り返し繰り返し・・。
奇跡!としかいいようがないのですが、3階1列中央という良席を取ることができました。
プレミアのついたチケットも出回っている状態なのに、なせばなるというかナントカの一念岩をも通すというか、火事場の馬鹿力というか、・・・coldsweats01
いえ、やはり歌舞伎座の神さまが招待して下さったのよ♪
と思うことに。

Kabuki4b
最初で最後の抹茶アイス♪



第一部の中村親子の「連獅子」
「連獅子」を観るのは初めてでしたが、
三人の呼吸もぴったりと合って、それは素晴らしいものでした。
勘太郎も七之助も日々成長している、という感じで観るたびに上手くなっている気がします。
わが子を谷に突き落として・・というお馴染みの話ですが、やはり厳しい稽古に明け暮れる中村兄弟にオーバーラップしちゃって何だかホロリ。
最後は拍手だけじゃ足りなくて、”ブラボー”と叫びたかったです。
バレエではよく聞くけど、歌舞伎でもああいう踊りの時には合いそうな気がするけど。

Kabuki4a
(TVニュースより)


第二部の「寺子屋」は以前にも観たけれど、子供が殺されちゃうのであまり喜んで観たい話ではなくて。
千代は玉三郎でなくてもいいので、次の「藤娘」を踊ってくれたなら・・とつい勝手なことを考えちゃいました。
いえ、藤十郎の「藤娘」、もちろん素晴らしかったですけど・・・
スミマセン。



やはり今回の白眉は第三部でしょう。
まず「実録先代萩」(じつろくせんだいはぎ)
これはちょうど去年の4月に上演した「伽羅先代萩」(めいぼくせんだいはぎ)と同じ伊達騒動をめぐる物語。
去年は玉三郎の政岡に感動しましたが、今回は大御所、中村芝翫演じる浅岡。
生き別れの幼い息子が訪ねてくるも、若殿さまを守らねばならぬ乳人の立場では情におぼれるわけにはいかず・・母としての身を切られるような切なさの繊細な表現がさすがでした。
子役が重要なお芝居ですが、若殿に片岡千之助、浅岡の息子に中村宜生、
共に10歳前後かな?
後日TVのドキュメンタリーで、芝翫さんやそれぞれの父親(孝太郎、橋之助)から指導を受けて必死に練習している姿を見ましたが、いじらしくも頼もしかったです。
新しい歌舞伎座がオープンする頃には、いちだんと成長した姿を見せてくれることでしょう。

Kabuki4d 建築計画の表示が。
完成は平成25年2月の予定とあります。



そして最後の最後、の演目は「助六由縁江戸桜」(すけろくゆかりのえどざくら)
あと3日でおしまいという26日、再度足を運びました。
2回目なのでイヤホンガイドも借りず、3階の最前列から端から端までゆったり心ゆくまで眺めました。
海老蔵のさわやかな口上で始まった華やかな舞台に、ともかく出演の全員が素晴らしく、眼も耳も奪われっぱなし。
ゴージャスな衣装に包まれた玉三郎の揚巻の美しさといったら、もう半分魔界に足を踏み入れているのではないかと思うほどで、オペラグラスが硬直して目から離れない・・状態。
先月気品あふれる菅丞相だった仁左衛門はめずらしくユーモラスなチンピラの役。ああいう仁左さまもいいわあ・・
勘三郎の楽屋落ちネタには場内大爆笑。
この人も何をやっても上手いけど、江戸の通人の雰囲気はまさにぴったり。
本当は団十郎の助六、ちょっと元気が無い感じがして気になったのですが・・やはりご病気後のせいでしょうか、
でも周囲のテンションの高さが、それを補って余りあるものでした。
それと最初に行った時は大向こうの掛け声があまりかからず、物足りない思いでしたが、26日はたくさん聞くことができました。
絶妙のタイミングで声がかかると、客席のテンションも上がりますよね
あれは本当に歌舞伎ならでは、の楽しみ。


第三部が終わるのは10時近くでしたが、歌舞伎座前にはたくさんの人が残って写真を撮り、別れを惜しんでいました。
私も寂しいけど、でもきりがないし・・・
もう一度振り返り、「ありがとう、さようなら」とつぶやいて駅に向いました。
思えば去年のお正月、一回だけのつもりだったのに、1年4ヶ月に渡り通うことになるとは・・
でも歌舞伎の素晴らしさを知ることが出来、歌舞伎座の楽しさを堪能することが出来て本当に良い体験が出来たと嬉しく思っています。

Kabuki4c_2


いつだったか隣合わせた年配のご婦人が、
「私ね、国立劇場って好きじゃないの。何だかつめたい感じがするんですもの。やっぱり歌舞伎座が好き」とおっしゃっていました。
江戸時代から続く”芝居小屋”の雰囲気が、現在の歌舞伎座にまだ残っていて、独特の明るさ、温かさを醸しだしていたのでしょう。
そのちょっとお祭り気分の明るさ、華やかさを新しい歌舞伎座にもぜひ受け継いでほしいですね。
Au revoir note 3年後、また歌舞伎座でお会いしましょうhappy01



Kabuki4e


ところで先月はトレンチコートのボタンを、今月はカメラのケースを歌舞伎座で失くしてしまいました。
ボタンはともかく、ケースのほうは聞いてみたけれど届いてないとのこと。
歌舞伎座のどこかに落ちていて、もろともにこの世から消えていくのかな。
それもまた面白い”記念”かもしれません。



Kabuki4f




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2010年4月 9日 (金)

歌舞伎座、いよいよ最終月ですが



チケットが取れない・・
4月も出来るだけ多くの人に見てもらおうという企画なのか3部制なのですが、
何とか第二部は取れたものの、一番観たい第三部が全く出てきません。
web松竹の「空席なし」が夜にかけて「販売中」に変わるとアクセスがすごいらしく、昨日あたりから「ただいま込み合っているためのちほど・・」という表示ばかり。
ちょっとねえ・・これはもう諦めるしかないのかな。
一幕見に並ぶ根性もないし・・・
などと言いつつヒマをみてはついweb松竹にアクセスしちゃう今日この頃。


3月も第一部と三部に行ったのですが、忙しくて書きそびれてしまいました。
チケットといえば3月にはちょっとあぶない橋?を渡っちゃいました。
第一部に3階2列端のチケットを買ったのですが、前日何気なく席を調べると、何と3階最前列の真ん中あたりの空席が出てきました。
直前のキャンセルでしょう、もう普段ならありえない良席、2列目のは当日絶対さばける!と確信して即買い。
翌日は少し早めに行って、一幕見の列に近づき、一人で並んでる人にめぼしをつけて、
「おねえさんおねえさん、どう?いいチケットがありますぜ」
・・とは言わなかったけど、「重複しちゃったんでよかったら・・」とおそるおそる聞いてみると、「いいんですか?」とすぐ買ってくれました。(もちろん定価で・・・でもちょっとダフ屋になった気分)coldsweats01

Kabuki3a_2



おかげで一列目で見たのですがこれが大正解♪
玉さまの「女暫」(おんなしばらく)
けっこう花道でのお芝居が多くて、見られなかったらさぞ悔しかったことでしょう。
まあ私の歌舞伎鑑賞なんて半分以上はミーハーで
要するに好きな役者さんをうっとりと眺めたいだけ・・というのが真相でありますからして。
うっとりと見ましたよ、いつもとイメージの違う玉さまの凛々しいあで姿に大満足。lovely
第一部は他に「加茂堤」(かもづつみ)「桜門五三桐」(さんもんごさんのきり)
石川五右衛門ハイライトとでも言いたい「桜門五三桐」はスケールの大きい舞台装置が素晴らしかったですがほんの15分ほどの短さ、
おかげで休憩時間はたっぷりあったものの、
他の部に比べて極端に上演時間が短かったことに不満の声もあったようです。

Kabuki3b_2 

別の日に行った第三部、これは「道明寺」が長いお芝居だったため、
逆に休憩時間が少なくて慌しい観劇でした。
「石橋」(しゃっきょう)は人間国宝、中村富十郎と長男鷹之資くんの共演。
まだ10歳ながら相当の場数を踏んでいるのでしょう、腰がすわっているというか、安心して見ていられるという感じで感服。
大向こうのかけ声は「天王寺屋!」より「若天王!」の方が多かったような。
新しい歌舞伎座ではどれだけ成長した姿を見せてくれるか楽しみです。

3月は13世仁左衛門の17回忌追善公演だったのですが、「道明寺」の菅丞相は13世の当たり役だったと言われています。
歌舞伎歴1年の私は観たこともちろんありませんが、先日NHKの「あの人に会いたい」でチラとそのシーンを放映していました。(苅屋姫は若き日の玉さまでした)
しかし私にとっての13世仁左衛門といったら1980年にNHKのドラマ、「ザ・商社」で演じた江坂コンツェルンの会長。
大会社の会長にして、野心にあふれる女性ピアニスト(夏目雅子)のパトロンなのですが、
穏やかな中に底知れぬ凄みを感じさせる演技に釘付けになったものです。

Kabuki3d 

その子息である現・仁左衛門の菅丞相。
う~ん私には菅原道真というより光源氏に見えちゃう。heart04
立っているだけで花がありますよね。
我當、秀太郎、仁左衛門の3兄弟に孝太郎も加わった片岡ファミリーのパワー全開の見応えのある舞台でした。
玉さまも老女役がごく自然な感じで、これから役の巾がもっと広がりそう。

Kabuki3c
この甘栗屋さんともお別れですね・・・ 


あ、結局ずるずる3月歌舞伎のことを書いちゃいましたが・・・sweat02
書きつつも時折web松竹を更新しては見ているのですがやはりダメダメ。
でも流通センターの3倍もするチケットなんて意地でも買わんもんね。
潔く第二部だけを楽しんで御名残・・・といたしましょうか。cherryblossom



Syosya_2 

もう一度見たい「ザ・商社」
NHKは何故再放送してくれない・・・?



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2010年2月18日 (木)

2010年二月大歌舞伎・昼の部



寒が明けてずいぶん経つのに、寒中より寒いくらいの二月。
小雪の中を13日の王子の初午に続き、15日には2月大歌舞伎昼の部へ行って
きました。パスモの残高があっというまに減ってしまう今日この頃。coldsweats02

Kabu0215a

今まで分不相応にも大抵1等席で観ていたのですが、
さすがに予算も底を尽き(笑)、今回は3階席を狙いました。
幸いおけぴで3階最前列の正面近くという良席をゲット。
これが思いのほか観やすくて、特に「俊寛」の海の素晴らしい舞台装置を楽しむには最良だったかもしれません。
それだけにこの列は争奪戦が激しいらしく、めったに手に入らないようです
が・・。
後ろの列も座席の段差が1階より大きいので、少なくとも2階後方の1、2等
席より断然いい。
アップで見たければオペラグラスを使えばいいのだし。
何だか3階席のファンになっちゃいました。

Kab0215c



昼の部、まずは「爪王」から。
鷹と狐の対決と聞いて、いったいどんな風に?と想像もつきませんでした
が、
これが予想外に素晴らしかった。
鷹匠に育てられた鷹が村を荒らす狐を退治しようと挑むが逆に深手を負っ
てしまう。翌年傷も癒え大きく成長した鷹のリベンジで、とうとう狐を仕留める、という単純なストーリーですが、雪を描いたシンプルな舞台装置とあいまってちょっと民話の雰囲気も漂わせ、郷愁を含んだファンタジーの世界に引きこまれます。
勇猛な鷹かと思いきや、出てきたのは七之助演
じる目のさめるほど美しい鷹のお姫さま。(実際鷹は雌のほうが大型で獰猛らしい)
すべて踊りで表現されますが、戦いに挑む勇猛さや、鷹匠に見せる信頼や
甘えなどを目の動きであらわす、その表情が美しく、いじらしく、見ているうちに愛おしさでいっぱいに。
まるで「鷺娘」をアクティブにしたような激しさ流麗さに釘付けです。

一方の狐に勘太郎。
今までわりと真面目でリアルな役でしか見たことなかったのですが、その
イメージを見事に打ち砕いてくれました。
これまた躍動感あふれる狐で、狡猾な中にも少し悲しみを湛えたような表
情が何ともいえない風情。
ハードな踊りを難なくこなす、力強さにうっとり。
後方の迫(せり)から傷を負った鷹が落ちてゆく、はっと息を呑む場面な
ど見せ場も多く、一時も目を離せない感じでした。
大きく成長する鷹が勘太郎、七之助兄弟にそのまま重なって何だか感動・

ちょっとうるうる・・。
終わってから隣の席のおばさま方が(
アンタが人のことおばさまって言うか、笑)「勘太郎ちゃんは結婚してからいちだんとうまくなったわよ~」なんて話していました。
「爪王」は動物作家である戸川幸夫の原作と知ってビックリ。
それを歌舞伎にとは何とも斬新ですよね。



二つ目は「俊寛」
これは去年の1月、幸四郎の主演で観ていますので、
今回勘三郎が演じるとどう違うのか、それが楽しみでした。
やはりちょっとタイプが違って、幸四郎のはあくまで風格のある俊寛、その分とりすました感じが抜けない、とも言えるのに対し、
勘三郎のはより人間くさいというか、卑小さが出てよりリアルに感じられ
る俊寛といいましょうか、あくまで個人の感想ですが・・。
どちらが良いということではなく、同じ役を演じても全く違う人物像にな
るのだな、と改めて思いました。
それもまた歌舞伎を長く観ている人の楽しみなのでしょう。
なお勘太郎の丹波少将はすごく合って良かったですが、七之助の千鳥は去
年の芝雀には及ばず・・・
若い役を演じるのに若さだけではダメというのも厳しいものですが、まだ
まだこれからですよ♪

Kab0215b
そして「口上」を経て4つ目はお目当ての仁左衛門&玉三郎ゴールデンコ
ンビの「ぢいさんばあさん」
これは森鴎外の原作で、仲の良い若夫婦が皮肉な運命にもてあそばれて離
れ離れになってしまい、37年ぶりに再会する、という物語。
何しろこのおふたりの演目はただもう見ているだけで満足なのですが♪
玉さま、「口上」でちょっとひっかかて心配しましたが、若妻るんのいつ
もにも増しての美しさを見て安心しました。
1年間の任務のため、明日は夫が京に発つという日。
別れを惜しむ夫婦のほほえましいイチャイチャぶりに場内から笑い声が。
京で夫が妻から送られた我が家の桜の花びらを川に散らす場面にはじんとしました。
そして37年後、若木だった桜がいまや大きく成長して満開となっている家
での再会。
涙なくしては見られません。
仁左衛門の「ぢいさん」は本当に「高砂」の人形そのままの無邪気で慈愛に満ちた好々爺ぶり。
それに対して「ばあさん」のほうに少し硬さを感じたのはメークのせいか
なあ。
品があるのはいいのですが、もっとより優しげなメークのほうが良かったのでは?と思いました。

Kab0215e

              これは過去の公演の写真です


ともあれ小品ではありますが、これは観たら忘れられない印象深さです。
もちろん他の人が演じても胸を打つことに変わりはないのでしょうが、
やはりこのカップルを越えるバージョンは無いのでは・・と思ってしまいますねえ。




ということで、2月もめいっぱい楽しみました。
さよなら公演もあと2回。
3月も4月も三部作です。
こうなったらもう最後まで見届けるもんね。
チケット争奪戦に割りこめるか・・ってところです。

Kab0215d
三階ロビーには過去の名優たちの写真が・・・
菊之助さんは芝居に悩むとこれを見に行く・・と何かに書かれていました。

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2010年2月 4日 (木)

2010年二月大歌舞伎・夜の部



歌舞伎座さよなら公演もあと3ヶ月を残すのみ。
二月公演、初日夜の部に行ってまいりました。
今回は友人と一緒なのでなるべくいい席で・・とチケットを探したかいあって、
7列目のほぼ真ん中という最高の席をゲット♪
今年になってからチケットの値段が大幅にはね上がり、コノヤローと思いつつもやはりやはり観たい!には勝てず。
それでも2階後方の一等席(ろくに花道も見えない)も同じ2万円ならこちらは3万円の価値あるもんねup と思うことにして何とかナットク。
2列前のななめ左には中曽根元首相もいらしてご観劇でした。

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今回は十七代中村勘三郎さんの23回忌にあたるということで追善公演と銘打ち、勘三郎さんにゆかりの深い演目ばかり。
といっても歌舞伎ファン歴わずか1年の私はお顔を見たことがある、程度で何も知らないのですが。
もちろん子息である十八代勘三郎が多くを演じます。
夜の演目は「壺坂霊験紀(つぼさかれいげんき)」「高坏(たかつき)」
そして「籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)」の三つ。

Nigatukabu4_2 

「壺坂霊験紀」は西国の霊場、壺坂観音のそばに住む夫婦の物語。
盲目の夫に三津五郎、妻に福助、登場人物はふたりだけです。
夜中にいなくなる妻が浮気をしているのではと疑心暗鬼になる夫。
実は目が治るようにと、夜ごと観音様にお参りをしていたという真相を知った夫は妻の真心に感じ入り、自分さえいなければ幸せになれると死を決意して、崖から身を投げてしまう。
それを知った妻も、夫をひとりで行かせることなどできぬと後を追うのですが・・
ふたりの心理、夫婦の情愛が細やかに描かれて引き込まれます。
妻の福助のたおやかさ、優しさ、可愛らしさがほんとに自然で、見惚れてしまいました。(ちなみにこれはハッピーエンドです)



「高坏」は狂言風のコミカルな舞踊劇。
桜満開の舞台が目の覚めるような美しさです。
花見のために高坏を買ってくるように命じられた次郎冠者(勘三郎)、
ところが彼は高坏がどんなものなのか知りません。
そこへやってきた高下駄売り(橋之助)に高下駄を高坏だと言いくるめられ、買わされてしまいます。安心した次郎冠者は殿様から預かったお酒を一杯、二杯と飲み初めて・・
酔っ払った次郎冠者が下駄のタップダンスを踊るのがみどころ。
その所作と踊りに何だかチャップリンを思い出してしまいました。
くっきりとした文様も鮮やかな衣装も素晴らしく、ただもう面白おかしく観ていられる楽しさいっぱいの演目。

Nigatukabuki

そしてお目当ての「籠釣瓶花街酔醒」
4ヶ月ぶりの玉さまに逢える!ともうわくわく♪
この芝居の主人公、佐野次郎左衛門も先代の勘三郎の当たり役だったそうで、それを当代勘三郎が演じます。
実直な田舎の商人、次郎左衛門はある日見物に立ち寄った吉原で、ナンバーワンの花魁、八ツ橋(玉三郎)の美しさに魂を奪われる。
以来、八ツ橋のもとに通いつめ、身請けの話を進めることに。
八ツ橋も穏やかで誠実な次郎左衛門に好意を持ってはいたが、実は彼女には昔からの恋人(というか間夫、早くいえばヒモ的存在)がいた。
その男、栄之丞(仁左衛門)は身請けの話を知って八ツ橋を責め、
自分を愛しているのなら、その証としてその話を断るように迫る。
悩んだ八ツ橋は結局、心ならずも満座の中で手のひらを返したように冷たく次郎左衛門を拒絶する。
呆然とする次郎左衛門。
八ツ橋のその仕打ちは男としてとうてい耐えられない屈辱だった・・。


というわけでまあ悲劇まっしぐらなんですけど。
「籠釣瓶」とは名刀の銘で、最後八ツ橋はこの刀で斬殺されることになります。
序幕の花魁道中は七越(七之助)、九重(魁春)、八ツ橋と続き、豪華絢爛なその場面を見るだけで来た甲斐があったというもの。
八ツ橋が次郎左衛門をちらりと見て婉然と微笑む様子には鳥肌が立ちました。
玉さまはほんとに・・・あれを越える美って、今後何十年も出てこないと思うな・・。
八ツ橋の間夫(まぶと読みます)栄之丞は苦労知らずでちょっと拗ねたぼんぼんという仁左衛門の独壇場なんだけど、出番が少ないこともあり、
少し物足りなかった感も。

Nigatukabu3

舞台に近すぎず遠すぎず・・観易い席でした




三つとも全く違うタイプの演目だったので、
それぞれ違った楽しみ方ができ、見応えがありました。
なんかものすご~く贅沢な時間を過ごした感じ。
しかし考えてみれば、歌舞伎って実に倒錯した世界なんですよね。
でもあの女役をどんな美女(ホンモノの)が演じても面白いとは思えそうにない。
それでは当たり前になってしまうもの。
倒錯を磨きぬくとあのような美の極致に昇りつめるっていったいどういうことなんだろう??
本当に歌舞伎は奥が深いわ・・などと余韻にひたりつつ外に出ると雪でした。
急いで道路の反対側に行って写真を撮るもいまいち。
もっともっとつもって、雪化粧した歌舞伎座も見たかったです。

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ところで昼の部、安くて良い席が出たら・・なんてグズグズしているうちにあっというまに満席状態になってしまい、諦めかけていたけれど、web松竹とは別ルートで今日チケットをゲットできました。
やれ嬉しや、仁左さま玉さまの「ぢいさんばあさん」がこれで観られますnotelovely






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2010年1月 6日 (水)

謹賀新年♪


新年おめでとうございます。
といってもはや六日。
忙しい世の中、最近は三が日が終わればハイ、お正月終了~って感じで、
まだ飾ってある玄関のお正月飾り、あれ?まだとらなくていいんだっけ?などと思ってしまう。
七草から鏡開き、小正月まで、まだまだ続いているのにね。
お正月らしい風情も私の周囲では殆ど無くなり、家族でカルタ取りやトランプ、すごろくなどに興じた昭和のお正月がなつかしい・・
なんて新年早々懐古趣味も情けないかしら。

Hagoita
















お正月はゆっくり録画した映画でも見よう、と思っていたのだけど、
予想以上に見たい映画その他が目白押しで片っ端から録画したものの、
何だかんだと時間がとれずまだ観ていないものが大半。
お正月らしいといえばありました!
今年は2日になんと歌舞伎座お正月公演初日の生中継が♪
今月からの歌舞伎座の料金があまりに高いので(一等席が16000円から一気に20000円に)、一月は行かない!と決めていたのだけど、中継で観られるとは何と幸せ♪
何しろにわか歌舞伎ファンなので、昔から何となく知っていた切られ与三郎の「いやさお富、久しぶりだなあ」のセリフが「与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)
」という演目だったのを初めて知ったというていたらくなのだけど。coldsweats01

1gatukabuki1











染五郎の与三郎、福助のお富、どちらも色っぽくて花があって最高♪
などとおせち料理に熱燗をいただきながら歌舞伎鑑賞、と今まで味わったことのない贅沢を楽しんだ。
歌舞伎座の座席ではいくらなんでもお酒飲みながら・・は出来ないものね。
もっとも江戸時代の芝居小屋では普通だったらしいけど。
これぞリビング座席の醍醐味・・・その意味では久しぶりにして新鮮な、お正月の華やぎを味わうことが出来たのかも。
3日には国立劇場で上演される通し狂言「旭輝黄金鯱(あさひにかがやくきんのしゃちほこ)」も放映。
こちらはまだ観ていず、あとのお楽しみ。

1gatukabuki2











まあそんなささやかな新しい楽しみも味わえたお正月だったけど、
今年は歌舞伎に限らず「見る」という受身の趣味だけではなく、みずからアクションを起こしたいな・・なあんて。
一応今年の抱負でございます。sweat02
ともあれ細々と6年目に入った当ブログですが、本年もよろしくお願いいたします。
皆さまにとって2010年が素晴らしい年になりますように。happy01




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2009年11月28日 (土)

十一月・吉例顔見世大歌舞伎


引き続き歌舞伎の話でナンですが、歌舞伎座11月公演、「仮名手本忠臣蔵
」夜の部を見て参りました。
今月は行かないつもりだったけど、新聞の評を読んだり、行った方のブロ
グを読んだりしたらもうダメ~。
前にも書いたけど、公演後半のほうが良い席が出るようで(特に一人の場
合は半端にあまった席が必ず出るようです)今回も運良く観やすい席が取れました。

Kanatehon_2
















今回は通しの忠臣蔵なので本当は昼の部から観たかったけどそうも言って
いられません。
夜の部は勘平とお軽、その家族の悲劇を描く五段目六段目、由良之助(蔵
之助)の本心か策略かのサスペンスにお軽兄妹のやりとりが絡む一力茶屋の場の七段目、
そして討ち入り、めでたく本懐を遂げて凱旋、の十一段目から成ります。


「仮名手本忠臣蔵」は忠臣蔵にまつわるさまざまなドラマの集大成。
忠臣蔵自体はもちろんドラマや映画で何度も観ていますから、というより
うんざりするほど見せられていますから(昔はこの話、古くさいと思っていて嫌いでした)別に目新しいものではないですが、忠臣蔵をベースにこれほどたくさんのエピソードを創作されていることに改めて驚きました。
47人の浪士たちには当然47のドラマがあり、膨大な人々がこれに絡むわけ
ですから、確かに題材は無尽蔵と言えるかも。

Ka091122a


















お軽勘平の名前だけは知っていたけど、こんなエピソードだったんだ・・

恋のための悲劇、身分が低いための悲劇、忠義のために盗みや殺人や家族
までを手にかけねばならない悲劇などなど、これでもかの盛りだくさんの展開に圧倒されました。
かの時代の人々の大義や信念やはたまた美意識までが、そんなものをみん
な失くした現代人に訴えかけてくるような迫力。
六段目の菊五郎、泣かされました。
しっとりとした魅力のお軽、時蔵がまた良くて。
東蔵の悲劇を演じてもどこかユーモラスな母親役、独壇場って感じ。

七段目は由良之助を演じる仁左衛門にもう釘付け。
華やかな遊里がこんなに似合う人ってないですよね。
十一段目、きりりとした討ち入りの姿も文句なく素敵だけど、茶屋で酔っ
ての乱れくずれる姿がなんとも艶っぽくて。
「吉田屋」でもそうだったし、「すし屋」「女殺油地獄」のすねた風情に
も通じるものがあります。
この場面では遊女となったお軽を福助が演じましたが、これまた華やかで
艶な姿に見惚れました。
お軽の兄、平右衛門に幸四郎、どんな時でも安心して観ていられます。
討ち入りの場面の降りしきり、舞う雪がきれいで、幕が降りてからもいつまでも目に残りま
した。
これはもう歌舞伎ならではの美しさですね。


Ka091122c

















この日はNHKが入ってましたから、近々放映されるかも♪




それにしても人形浄瑠璃として大阪で初演されてから260年、
忠臣蔵はまだまだ過去のお芝居とはなってはいないようで。
来年十数年ぶりに忠臣蔵の映画「最後の忠臣蔵」が公開されるそうです。
別々の理由で生き残った瀬尾孫左衛門と寺坂吉右衛門にスポットをあてて描かれるようですが、
何だかんだいっても本当に日本人ってこの物語が好きなんだな。


最後の忠臣蔵 [DVD]
これはNHKドラマバージョン



そういえば印象に残る忠臣蔵がひとつあります。
1979年(え!そんなに昔だっけ?)に放映されたドラマ、「女たちの忠臣蔵」
浪士たちにまつわる女たち、母親や妻や姉妹、恋人たちからみた忠臣蔵でした。
浪士となった男たちにかかわる女たちの運命も当然激変、さまざまな悲劇が生まれるわけです。
何しろ脚本が橋田壽賀子ですからまあドラマティックに見せること!
当時の女優たちの共演も話題となり、なんと42%以上の視聴率を取ったそうです。
夫のために女郎となり、討ち入り凱旋の夫の姿をひとめ見ようと廓を駆け出し、雪の中でなぶり殺しにされる波乃久里子の壮絶なラストシーンが忘れられません。

調べたらDVDになってるんだ。
TSUTAYAでレンタルしてないかしら・・?


Tyusindvd















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2009年11月17日 (火)

シネマ歌舞伎・「日高川入相花王」



さて東劇で行われていたシネマ歌舞伎の最終日、
「日高川入相花王」(ひだかがわいりあいざくら)を観てきました。
10月には行けなくて、11/13の最終上演を選んだのですが、初回上映は10時
半から。
ちょっと寝坊して少し遅れたものの(何しろ家からだと2時間近くかかりま
す)
平日だしチケットもすぐ買えるだろうと思ったら甘かった。
あと10分で始まるというのにチケット売り場は行列。
え~今までこんなことなかったのに、やはり最終日ということで観にくる
人多かったんだ。
何とか上映開始と同時にシートに座ることができました。
「鷺娘」との2本立てでしたが、「鷺娘」の素晴らしさは以前書いたので
ルーして。



「日高川入相花王」はこれまた清姫、安珍の道成寺もの。
舞台は紀伊の国の日高川。
恋しい安珍を追って日高川まで来た清姫は渡し船の船頭に川を渡してほし
いと頼むが、安珍から追ってくる娘がいたら決して渡してはならないと言われていた船頭に拒否される。
そこまで自分を拒む安珍への恨みで清姫は見るも恐ろしい蛇体と化し、
日高川に飛び込んで安珍を取り殺そうと追い続けていく、というストーリ
ー。

Hidakagawa1


















もともとは人形浄瑠璃の脚本だった、という歌舞伎の演目はたくさんあり
ますが、
このお芝居は「坂東玉三郎人形振りにて相勤め申し候」ということで、
人形浄瑠璃の舞台がそのまま再現され、玉三郎は人形となって清姫を演じ
るというめずらしい演出です。
坂東薪車演じる船頭も人形振り。
そして尾上菊之助が、清姫を操る人形遣いを演じます。
文楽ではひとつの人形を3人係りで動かすそうですが、そうした黒子とは別
の「出遣い」と呼ばれる人形遣いだそうです。
裃姿のクールな菊之助もまた素敵♪


「人形」であるから基本的には無表情。
文楽に限らず人形というものは、角度によって微妙で多彩な表情を見せるものですが、逆に人間がそれを表現するのは難しいでしょうね。
人間を模した人形を、また人間が演じるというパラドックス。
でもさすが、その微妙な表情やギクシャクとした人形の動きなどがメリハリの利いた演技で表現され、とても新鮮でした。
「人形振り」は遣うほうも遣われるほうも技術はもちろん、体力的にもハードなのだそうですが、菊之助との息の合った演技はそんなことはまったく感じさせず。
一度など菊之助が玉三郎を軽々と持ち上げましたが、バレエのリフトと同じでさぞ体力が要ることでしょう。
文楽では男の人形のほうが目とか口、眉などがよく動いて表情豊かなのだそうですが、それをユーモラスに再現した船頭が面白かったです。


川を渡れないことに絶望した清姫が蛇に変わる場面、
清姫の顔が文楽のいわゆる「がぶ」に。
美しい娘の顔が一瞬で口が耳まで裂けて歯をむき出し、、目玉がひっくりかえって爛々とした金目になり、頭には角が生える、というあの豹変を「がぶ」というそうで。
映画ではお面だったのか、ちょっとわからなかったけど、
あの「がぶ」ってほんとにドッキリしますよね。



髪振り乱して川に飛び込むと大蛇の身体がうねり、衣装は銀のウロコ模様に。
周囲を焼き尽くすような清姫の妄執、嫉妬の凄まじさ。
でもそれをあくまでも、哀しみを湛えた「美」に昇華してしまうのが玉三郎たる所以でしょうか。
向う岸に泳ぎつき、柳の木に取り付いて見得を切ると舞台はぱっと明るくなり、一面の桜の山が・・・
う~ん、これもやっぱり生の舞台でも観てみたい・・・。

Tougeki






東劇のロビーにこんな大勢の人がいるの初めて見ました。








結局まだまだ観たい作品をいっぱい残してしまったシネマ歌舞伎アンコール上演でしたが、まあまた機会はあるでしょう。
それとこれは全作品早急にDVD化して欲しいですね~。
となればもちろんブルーレイかな。
そうなったら・・・仕方ない、DVDプレイヤー買い替えますよ~dash



ところで「がぶ」で思い出したこと。
その昔NHKの「ひょっこりひょうたん島」にパトラ、ベラ、ルナという3人の魔女が出てきて、その中のルナだったかな、この「がぶ」があってすごい怖かったんです。
さっき検索してみたら、やはり子供の頃それを見てトラウマになってる、なんて記事があって笑っちゃいました。
確かに子供にはショックかも・・・。
それにしてもなつかしいなあ♪




 Various/ひょっこりひょうたん島 ヒット ソング コレクション (オリジナル版)












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2009年11月 9日 (月)

シネマ歌舞伎・「京鹿子娘二人道成寺」


10月、11月の東劇ではシネマ歌舞伎のアンコール上演が行われています。
本当は全部観たいのですがそうもいかず、
今回は「京鹿子娘二人道成寺」を観てきました。
今年の2月に歌舞伎座で観たのですが、2階の奥の席だったので遠くて花道
も見えず欲求不満状態だったため、シネマでリベンジ。
平日の2時でしたが、そこそこお客さんが入っていました。

Sinemakabuki




















2月の欲求不満、200%解消。
あのあでやかな舞台で繰り広げられる玉三郎、菊之助の目のくらむような

息をつくひまもないような舞を堪能しました。
シネマ歌舞伎はただ舞台をそのまま撮影しただけではなく、映像ならでは
の技法、趣向が採りいれられているのですが、この演目はその技法が十二分に生かされていました。
鐘の供養のため、舞を奉納させて下さいと僧たちに語りかける白拍子、菊
之助の花子がアップになるといつのまにか玉三郎に・・カメラが引かれるとまた菊之助に・・・。
最初わからなくて、あれ?いくらなんでもこんなに似ていたかしらと思っ
てしまった。
二人の花子が分裂するようにすうっと離れたり、磁石のようにまた引き合
い、
重なったりと自在変化の趣のある舞台でしたが、それが映像の力で強
調され、まさにあやかしの世界に引きずりこまれます。

Kanoko



















遠目には双子のように見える二人も、同じ振りを踊っているばかりではあ
りません。
バレエのソロのように、一人で踊る場面も。
またその踊りの多彩なこと!
菊之助はやはり動きが若々しく、力強いスピード感があって清新な魅力に
溢れています。
でも玉三郎は、多分菊之助にはまだまだ届かない境地に到達してしまって
る。
彼自身が動く芸術品と言ったら失礼でしょうか。
動くたびに花が零れ落ちるようなあでやかさ、しなやかな身体の動きや、

時に眼だけで表現するその微妙な表情の多彩さはまるで万華鏡のよう。
こちらはまるで金縛りにあったように魅入られてしまうのです。
また二人のその違い・・・若さと円熟が補い合って、さらに大きな魅力に拡大していく感じ


何度も替えられる豪華な振袖もまばゆいばかりで究極の目の保養。
まったくこれほど美しく、素晴らしいものをいったい世界のどこで見られ
るというの!?とテンションは上がりっぱなし。
ラストに亡霊の正体を現して鐘にとりつき、ぞっとするような目で僧たち
を睨む場面のふたりのアップを見た時は、ああ観て良かった!と鳥肌がたつほど感動しちゃいました。
充実度も200%の1時間10分でした。happy01



映画が終わって出るとき、中央の席から車椅子に移される高齢の女性を見
ました。
うん、映画の大画面ならお年寄りにもよく見えることでしょうね。
彼女も充分楽しんだのなら嬉しいなあ、と何故かちょっとしんみり。

Kabukiza1106
















「櫓」の建てられた歌舞伎座。
江戸時代、幕府公認の芝居小屋として認定された証なのだそうです。
毎年11月の顔見世興行の時のみ建てられますが、
今回は来年の終了時まで見られるとのこと。

Kabukisyasin_2















歌舞伎座の写真集。
ふだん見られない歌舞伎座の奥や、
舞台装置製作などの光景が見られます。
歌舞伎座、東劇でも販売されてます。






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