手のひらに翡翠
ある朝のこと、
起きて下の居間に入ろうとすると何か異様な気配。
バサバサと鳥の羽音、それに鳴き声。
言いたかないけどうちの猫がしょっちゅう小鳥を獲ってくるので、
ある程度は慣れているのだけど全くうんざりします。
羽が散乱して死骸が・・ということもあるので、生きているらしいのは救い。
見回すとまだカーテンをひいてあるので薄暗い中、これまた異様なシルエットが。
今まで捕まえてきたのはスズメ、ヒヨドリ、アオジ、ツグミなどだったけど、
あの大きな長いくちばしは・・・
まさかカワセミ~~??
ともかくすぐ逃げられるように窓を全開にし、
見るとカーテンレールの上にいるのは確かにカワセミ。
カーテンレールにカワセミ・・・ってあり得ない。
うちってミラクルワールドなのか![]()
![]()
我に返り、どうせなら写真撮っちゃおうかと目を逸らした瞬間、
カワセミは消えていました。
しかし猫が咥えてきたのなら、羽の一枚くらい必ず落ちているはずなのに、
あれば目立つだろう羽が全く落ちていない。
まさか猫用入り口から自分で入ってきたわけはないし・・・
寝ぼけて幻影でも見たのかと思ったほど・・・謎![]()
それから数日後、今度は夕方買物から帰るとまたまた鳥の羽ばたきと鳴き声が。
あわてて見ると猫が弄っているのは今度こそ正真正銘のカワセミ。
猫を追っ払って窓を開けようとしたとき、カワセミは飛び上がって壁に激突、
そのままキュリオケースの裏に転落しました。
懐中電灯で見ると幸い手の届くところにうずくまっていたので、
つかんで引っ張り出すと、意識はあるけどグッタリした様子。
こちらも動転していたせいもあるけど、
何だかアタマと体がどっちを向いているのかわからない状態。
で、でもカワセミを掴むなんてあり得ないほどせっかくのチャンスだから、
ちょ、ちょっと撮らしてよね、とコンデジを持ち出し、写真を撮ったものの
慌てていたせいであとで見たら殆どボケ。
マクロモードで撮ればよかったのに・・・
ともかくカワセミが棲息する近くの池に戻さねば・・
外に出るとつかまれたままのカワセミ、首をぐるぐる回すものの茫然とした様子で、
暴れる気配もないのが心配。
それでも大きなくちばしを開けて時々指に食いつきましたが。(全然痛くない)
池に着いてフェンスの上に立たせようとしたけれど立てない。
横倒しになってしまう。
ああやっぱり骨が折れちゃったのかなあ・・・
どうしよう、野鳥だから勝手に保護することもできないし・・
獣医さんに持ち込んだら診てくれるのかなあ・・
「アンタさあ、2度も猫に獲られるってマヌケ過ぎない・?」
などと言いつつカワセミを撫でるという貴重な体験をしつつ
悩むこと十数分・・・
突然我に返ったように、カワセミは勢いよく池の向うに飛んでいきました。
よろよろもせず、まっすぐに。
よ、良かった~![]()
何とか無事だったんだ。
手に血もついていないから、外傷も殆どないはず。
心底ほっとしました。
黒いつぶらな目が可愛かったカワセミ、つかむと見かけよりずっと細くって。
くちばしで挟まれた指の感触、思い出すと何だかいとおしいです。
ところで。
これまで猫は一度もカワセミなんて獲ったことがないのに、
それを可能にしたのは棲息している池の激変のせいです。
農業用水であるこの池は去年まで周囲にはドングリの生る木が茂り、
山藤やアケビが育ち、水際は込み入った藪で、
こんな光景が見られていました。
当時のカワセミはこんな藪の中によくいました。
ところが今年早々から、整備して公園にするとかで工事を始めたのですが、
思った通り全部の木を切り倒し、藪を取り払ってコンクリートで固め、
何のためかわからない水上遊歩道?を申し訳程度に設置しておしまい。
いかにもお役所仕事一丁あがりって感じね。
夏にはうるさいほど鳴いていたウシガエルも死んでしまい、
目には見えなくてもどれだけの生態系が破壊されたことか。(怒)
それでも小魚はいるので、意外とたくましいカワセミは戻ってきたのですが。
藪がなくなったので猫の恰好のターゲットになったのでしょう。
でも逆に言えばこれだけ見通しが良いのですから、猫が近づいたらすぐわかると思うのですが。
こんなところで襲われるなんて、やはり間が抜けているとしか思えない・・・
まさかと思うけど、
ウチの庭にある睡蓮鉢のメダカを獲りにきたところをやられたとか・・・
いやそれはないだろうなあ・・・でも・・・
う~~~ん ![]()







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