「雪の女王」新訳版
旧ソビエトが1957年に作ったアニメ映画「雪の女王」
もちろん映画として観たことはなく、
十数年前に初めてビデオで観たのですが、すっかり魅せられ、
もう何回観たことか。
何しろ最初はベータのセルビデオを買ったのですから。
1万数千円しました。
その後ベータがどういう末路をたどったかはご存知の通り。
しかしこのベータ版の素晴らしいところはちゃんと原語(ロシア語)、
日本語字幕で作られていたところ。
吹き替えとどちらでも聞けるようになっていましたが、
もちろん原語のほうが断然魅力的でした。
ベータが使えなくなってから、VHSは買わなかったものの、
DVDが出た時はさっそく買いました。
ところがそれは吹き替えのみで魅力半減。
最近ジブリのライブラリーから新訳版が出ていることを知り、
原語版なのを知って即買いしちゃったというわけです。
「雪の女王」は誰でも知っているアンデルセンの童話ですが、
この旧ソ連の映画は実に見事にそれを映像化しています。
話の進行などにはディズニーの影響が強く見られますが。
案内役として登場するのはやはりアンデルセンの童話、
「眠りの精のオーレおじさん」の主人公、オーレおじさん。
彼の語りという形で物語が進行します。
(ディズニーではジミニー・クリケットがよくその役を務めていますね)
だいたい私は名作のアニメ化というのには懐疑的で、
日本のアニメでやったハイジとかペリーヌとか赤毛のアンとか、
原作が好きだからこそ絶対観なかったけど、
これは雪の女王のイメージを全く損なうことなく、少し話をけずって単純化した分、テーマがより骨太になり、
50年以上たっても全く古くもならず色褪せもしない美しいアニメーションによって
大人の鑑賞にも充分耐えられる素晴らしい作品となっています。
ともかく絵が美しく、愛らしい。
動きが優雅で上品。
これは日本でも初期の東映動画に見られる共通点ですが、
上品、優雅という動きは過去のものになっちゃったのかと思うくらい。
ロシア語は全然わかりませんが(スパシーボとダスピダーニャくらいしか)
全くキンキンした調子がなく、セリフが耳に心地よい。
(これも昔の日本のアニメでもそうでした)
キャラクターが皆魅力的。
怖さと美しさが絶妙な雪の女王、ゲルダを助けてくれる人たち、
動物たちのリアルさ、
特に山賊の娘には思わず感情移入せずにはいられない。
原作を好きな人も知らない人も、大人も子供も楽しめること受けあいです。
ところでこのDVDを発売した「三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー」
海外の優れたアニメを上映、DVD発売という形で紹介しているそうです。
この「雪の女王」も数年前上映したそうで、観たかったなあ・・
ジブリの宮崎駿氏はこの作品がとても好きで、
ご自分の転機となった運命の作品とのこと。
ちょっと驚きましたが、強く優しい少女というのは
確かに宮崎氏の永遠のテーマ?でした。
このDVDの中でもインタビューで熱い思いを語っているのですが、
ゲルダを「安珍・清姫」に例えたのには笑いました。
ひと筋に愛する人を追い求めるという点では確かに似ているかも。
ただ、アミニズム云々という話で
ゲルダが赤い靴を「川」に与えてカイのところに連れていって、と頼むシーン。
原作に無いエピソードを挿入したようにおっしゃっていますが、
あれは原作にもちゃんとあるエピソードです。
賛美歌とか天使とか、キリスト教的なものを排除したのは
ロシアの微妙な宗教事情もあるのでは?と思いましたが結果的には成功していますね。
このDVDには映像特典としてもうひとつの作品が収録されています。
やはりアンデルセン原作の「鉛の兵隊」という作品ですが、
十数分という短い少品ながらこれがまた素晴らしいのです。
私が子供の頃読んだ原作では「しっかり者の錫の兵隊」というタイトルでしたが内容は同じ。
片足の鉛の兵隊と、紙で出来た踊り子の恋。
つぶやくように愛を歌う兵隊の歌声、さすがロシアならではの踊り子のバレエ、
ラストは思わずうるうる・・・
このアニメもお宝もの。
本当に手に入れて良かった一枚となりました。
あ、吹き替え版のほうは、DVDを貸し出ししている
町の図書館にでも使ってもらおうかと思っています。
昭和30年代、東映の初期アニメーションも素晴らしかったです♪
右はやはり旧ソ連のアニメ、「森は生きている」 1956年の作品。
残念ながら吹き替え版。













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