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2010年8月29日 (日)

COM1967年 夏


先日思わず書いた駄句が

エアコンの牢獄にゐる酷暑かな


という状態がずっと続いて連日36度、37度、
灼熱地獄の中に出かけるのも恐ろしく、
はい、今日もマイナーなマンガネタで更新です。
すいません、興味のない人には全然面白くありませんので、
スルーして下さいませ。m(_ _)m



最近手に入れた古いCOM、
何と43年前の1967年8月号。
当時私は・・・あまり言いたくない(笑)
COMはバックナンバーを創刊から何年か全部買って持っていたのだが、
弟に持っていかれてしまい、
偶然特別に好きだった号を見つけて入手したというわけ。
もちろん古びてはいるけど、43年前にしてはけっこう状態も良い。
(思うのだけど紙という保存手段はやはり素晴らしいものだと。
データみたいにいきなり消えちゃうなんてことないし、
少なくとも千年も保っているものがあるんですものね。)

Com8gatu_2 


何故この号が好きかというと、新人マンガ家による「夏」をテーマにした競作特集があるから。
宮谷一彦、白石晶子、青柳祐介、岡田史子、
小山田つとむ、はせがわほうせい。

このうち、もっともメジャーになったのははせがわほうせい(現・長谷川法世)と青柳祐介だろうか。
この号にぐら・こんで入選した「正午に教会で」は長谷川のデビュー作となり、のちに「漫画アクション」に連載した「博多っ子純情」が小学館漫画賞を受賞している。
青柳祐介も「土佐の一本釣り」でやはり同じ賞を受け、この作品は映画化もされたが、2001年に死亡。
土佐の浜には彼の石像が建っているそうだ。
白石晶子は少女コミックなどに描いていたようだが、あまり記憶に無い。
小山田つとむは永井豪原作の「ドロロンえん魔くん」など少年誌にも多数発表、その後絵本の挿絵なども描いていたようだ。



けれどなんといっても強烈な印象だったのは宮谷一彦と岡田史子。
宮谷はこの年「ねむりにつくとき」でCOM新人賞。
ともかく絵がうまくてその緻密な作風の描写はすばらしく、泥くささとは無縁の強烈な個性、都会的なスマートさで独特の世界を創り出した。
その後商業誌に反体制的な過激ともいえる作品を次々発表、学生運動の嵐の吹き荒れる世相の中、一時ヒーロー的扱いを受けていた。
私などはそのあまりに露骨な過激さについていけず、その頃にはもう彼の作品を追うことはやめてしまったが・・。

でもCOMに発表された作品は皆好きだった。
この「夏」特集の「日は沈むことなく」をはじめとして「若者のすべて」シリーズになる「街には雨が・・・」「セブンティーン」「ライクアローリングストーン」などなど。
以前は単行本が出ていたと思ったけど、今はさがしても皆無。
この初期の作品、復刻してくれないものか。
当時ご本人自身スキャンダラスな話題に事欠かない、長身で俳優にしたいほどのイイ男だったけど、今はどうしているのだろうか・・。

Natu1_3   


そして岡田史子。
あの大マンガ家、萩尾望都が「天才」とあがめた「幻のマンガ家」と言えるだろう。
私から見れば岡田史子は特別に美しい一滴の露、萩尾望都はその一滴から悠々たる大河を紡ぎ出した人と思えるのだが、
その作品群の起爆剤になったとしたら、やはり岡田史子はすごい人なのかもしれない。
確かにイメージという意味では、(いきなり思いっきり個人的な例えでスミマセンが)萩尾望都の作品から俳句のインスピレーションは受けないが、岡田史子の作品からは受けることがある。
ずっと以前に出た単行本を今でも時々読み返し、そのたびに新鮮な思いにとらわれる。永遠に理解できないからこそ、イメージは枯れることは無いのかも。

COM1967年2月号「太陽と骸骨のような少年」でデビュー。
翌年「ガラス玉」でCOM新人賞を受けている。
その後、「ピグマリオン」「サンルームのひるさがり」「赤い蔓草」など珠玉のような作品を次々発表したが、メジャーな雑誌で描く気はなかったようだ。
カフカなどの影響、ムンクに思い入れがあることなどがわかるが、絵柄も毎回違うし、マンガというより詩のようでもあり・・。
彼女が描いていたのは10年にも満たないはず。
早々と筆を折り、すでに2005年に亡くなっているが、今でも熱烈なファンは大勢いることだろうし、決して忘れられることはないだろう。




そんな、今から思えば貴重な執筆陣の描いた1967年の夏・・
自分にとってのそれは昔すぎて思い出すことも出来ないが、
ただ当時の気分だけは鮮やかに蘇ってくるようだ。



ちなみにこの号では他に、
手塚治虫の「火の鳥・黎明編」、「ハトよ天まで」
永島慎二の「青春残酷物語、フーテン」
石森章太郎のファンタジーワールド「ジュン」
のちにハードボイルドな劇画で活躍する佐藤まさあきの「猫」など、
読み応えのある作品が揃っている。



う~ん、学校帰りに買って三島駅のホームで電車が行っちゃったのにも気づかず、読み耽っていたのはこの号だったかもしれない・・・。coldsweats01

Comura_2

この号の裏表紙。
フジテレビって「母と子のフジテレビ」だったのね~smile













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