ゲゲゲの女房、快調♪
後半に入ったNHKの朝ドラが久しぶりにヒットのようです。
「ゲゲゲの女房」
「ゲゲゲの鬼太郎」で広く知られる漫画家、水木しげるの漫画家人生を妻の布枝さんの目から描いたもの。
極貧の貸本漫画作家から成功していく一種のサクセスストーリーでもあるのでしょうが、昭和20年代からの懐かしい雰囲気もあいまって、巾広い年代に好意を持って観られているようです。
何しろ最近の過去ドラマ、「ウェルかめ」にしても「だんだん」にしても「瞳」にしても、まあ評判の悪かったこと。
もうここまで言うかと思うほどボロクソのレビューをたくさん目にしました。
どれも確かに、とうてい共感できない「甘さ」が視聴者の怒りをかったのかも。
その点「ゲゲゲ・・」は貧しさの中でつましく明るく、地道に努力という現実ではもはやあまり聞かず、評価もされないような状況が何かをくすぐる。
「私たちは豊かさとひきかえに大切なものを失った」というすでに手垢のついたようなフレーズ、やはりこれはダテではなく、根強く人の心に存在しているのかもしれません。
「赤貧洗うが如し」という諺があるけれど、それって確かに悲惨なんだけど、
今となってはいっそスッキリ、という気分も無いとはいえないのかも。
携帯やパソコンを所持し、30年前の人間が見たら「SFの実現!」と目を輝かせるであろう状況でも、職もなく未来への展望もない若者たちが多くいる・・って何なんでしょうね。
貧しくても希望がある、というのは人にとって最もやる気の出る状態なのかもしれず、そのあたりが共感を呼んだのでしょうか。
成功するのがわかっているから安心して観ていられるし。
ところで私が水木しげるの漫画に最初に出会ったのは床屋さん。
昔の床屋さん、待ってる人のためにたくさん漫画が置いてありました。(今もかな?)
その中の雑誌だったか単行本だったか覚えてないのですが、
今まで見たこともない気味の悪い異世界に、強いショックを受けました。
多分あんな恐ろしい・・・ともかくその「世界」が恐ろしい、漫画は初めてだったと思います。
だから今でも好きではないのですが、あの独特の雰囲気、そして何十年も当たり前のように続く存在感に、自然に馴染んでしまったのかもしれません。
そういえば息子が小さかった頃、鬼太郎のアニメを喜んで観ていましたっけ。
何年か前に行った境港の水木しげるロードで鬼太郎と。
劇中に出てくる「ゼタ」という雑誌は「ガロ」がモデル。
私が「ガロ」に夢中になるのは1960年代の後半、つげ義春や佐々木マキ、
林静一、つりたくにこなどが出てきた頃からですが、以後も(何故かドラマにはでてこない)看板作家の白土三平を始め、水木しげる、永島慎二などは何年にも渡りガロを支えていくことになります。
週間の少年誌、サンデーとマガジンの部数争いも熾烈を極め、1970年の少年マガジンなどはほんとにユニークな構成でした。
漫画にとって面白い時代だったですね。
このドラマ、ユニークなゲストも多いけれど、
しげるの父役に風間杜夫、母に竹下景子、
貸本屋の女主人に松坂慶子というのがなんとも感慨深いです。
「お嫁さんにしたい女優ナンバーワン」だった竹下景子がもうこんな年代なのね・・。
あ、皆過去を引きずらない気持ちの良い演技で楽しく観ていますが。
風間杜夫&松坂慶子といえば思い出すのは映画「蒲田行進曲」
先日亡くなったつかこうへいさんの原作、脚本に、やはり今は亡き深作欣ニ監督がメガホンをとった快作。
実はつかさんの訃報を聞き、観なおしてみたくなって先日DVDを観ました。
涙なくしては観られない「階段落ち」の名シーン、
これはパロディとしても多く使われ、ドリフターズも大がかりなコントに取り入れていました。
平田満、文字通り生涯最高の演技でしたね。
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