十一月・吉例顔見世大歌舞伎
引き続き歌舞伎の話でナンですが、歌舞伎座11月公演、「仮名手本忠臣蔵」夜の部を見て参りました。
今月は行かないつもりだったけど、新聞の評を読んだり、行った方のブログを読んだりしたらもうダメ~。
前にも書いたけど、公演後半のほうが良い席が出るようで(特に一人の場合は半端にあまった席が必ず出るようです)今回も運良く観やすい席が取れました。
今回は通しの忠臣蔵なので本当は昼の部から観たかったけどそうも言っていられません。
夜の部は勘平とお軽、その家族の悲劇を描く五段目六段目、由良之助(蔵之助)の本心か策略かのサスペンスにお軽兄妹のやりとりが絡む一力茶屋の場の七段目、
そして討ち入り、めでたく本懐を遂げて凱旋、の十一段目から成ります。
「仮名手本忠臣蔵」は忠臣蔵にまつわるさまざまなドラマの集大成。
忠臣蔵自体はもちろんドラマや映画で何度も観ていますから、というよりうんざりするほど見せられていますから(昔はこの話、古くさいと思っていて嫌いでした)別に目新しいものではないですが、忠臣蔵をベースにこれほどたくさんのエピソードを創作されていることに改めて驚きました。
47人の浪士たちには当然47のドラマがあり、膨大な人々がこれに絡むわけですから、確かに題材は無尽蔵と言えるかも。
お軽勘平の名前だけは知っていたけど、こんなエピソードだったんだ・・。
恋のための悲劇、身分が低いための悲劇、忠義のために盗みや殺人や家族までを手にかけねばならない悲劇などなど、これでもかの盛りだくさんの展開に圧倒されました。
かの時代の人々の大義や信念やはたまた美意識までが、そんなものをみんな失くした現代人に訴えかけてくるような迫力。
六段目の菊五郎、泣かされました。
しっとりとした魅力のお軽、時蔵がまた良くて。
東蔵の悲劇を演じてもどこかユーモラスな母親役、独壇場って感じ。
七段目は由良之助を演じる仁左衛門にもう釘付け。
華やかな遊里がこんなに似合う人ってないですよね。
十一段目、きりりとした討ち入りの姿も文句なく素敵だけど、茶屋で酔っての乱れくずれる姿がなんとも艶っぽくて。
「吉田屋」でもそうだったし、「すし屋」「女殺油地獄」のすねた風情にも通じるものがあります。
この場面では遊女となったお軽を福助が演じましたが、これまた華やかで艶な姿に見惚れました。
お軽の兄、平右衛門に幸四郎、どんな時でも安心して観ていられます。
討ち入りの場面の降りしきり、舞う雪がきれいで、幕が降りてからもいつまでも目に残りました。
これはもう歌舞伎ならではの美しさですね。
この日はNHKが入ってましたから、近々放映されるかも♪
それにしても人形浄瑠璃として大阪で初演されてから260年、
忠臣蔵はまだまだ過去のお芝居とはなってはいないようで。
来年十数年ぶりに忠臣蔵の映画「最後の忠臣蔵」が公開されるそうです。
別々の理由で生き残った瀬尾孫左衛門と寺坂吉右衛門にスポットをあてて描かれるようですが、
何だかんだいっても本当に日本人ってこの物語が好きなんだな。
これはNHKドラマバージョン
そういえば印象に残る忠臣蔵がひとつあります。
1979年(え!そんなに昔だっけ?)に放映されたドラマ、「女たちの忠臣蔵」
浪士たちにまつわる女たち、母親や妻や姉妹、恋人たちからみた忠臣蔵でした。
浪士となった男たちにかかわる女たちの運命も当然激変、さまざまな悲劇が生まれるわけです。
何しろ脚本が橋田壽賀子ですからまあドラマティックに見せること!
当時の女優たちの共演も話題となり、なんと42%以上の視聴率を取ったそうです。
夫のために女郎となり、討ち入り凱旋の夫の姿をひとめ見ようと廓を駆け出し、雪の中でなぶり殺しにされる波乃久里子の壮絶なラストシーンが忘れられません。

















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