七月大歌舞伎
ということで歌舞伎の話ばかりになってしまいますが、
7月大歌舞伎に行ってまいりました。
今回は昼夜いっぺんに済ませてしまおうという計画で、幸いチケットが取れたので11時から午後9時まで、歌舞伎座に詰めっぱなし。
でも昼の部が短めだったため、食事の時間がいつもより余裕あり、
その点では少しゆっくりできました。
暑さにもめげず、涼やかな夏の着物を着た女性もいっぱい。
ご本人たちは暑いでしょうが、見ている分には目の保養です。
祝日だったので日の丸も。
今回は新しい演目が主で泉鏡花作品がふたつ、
昼の部に「海神別荘」、夜の部に「天守物語」
あとは幸田露伴作の「五重の塔」、古典は「夏祭浪花鑑」(なつまつりなにわかがみ)のみでした。
市川海老蔵、中村獅童を見るのは初めてで楽しみでしたが、さすが旬の役者さんという感じ。
獅童は映画やドラマではさんざん観ていて、陸軍の(あくまで陸軍ね)兵隊くずれとかのイメージが強烈だったのですが(だってそういう役がまたうまいんだもの)
はい、初めて歌舞伎の獅童さんを拝見しました。
はい、イメージがらりと変わりました。
「五重の塔」の大工の棟梁、「夏祭」の侠客、「天守物語」の異界の眷属など、それぞれ味もあり迫力もあり、ああやっぱり歌舞伎役者さんだったのね、と感心しきり・・なんて言ったら怒られそうですが。
海老蔵もまた、決して秀作とは言い難かった大河ドラマ「武蔵」しか見たことなくて。
しかし舞台ではやはり今一番輝いている役者さんの一人でしょうか。
「海神別荘」で海の公子、「夏祭」の団七、「天守物語」の若侍図書之助と出ずっぱりでしたが、もう立ってるだけで絵になるというか。
「目千両」とは彼のためにあるような言葉ですねえ。
「夏祭」での白地に紺の模様を染め抜いた浴衣姿にはほれぼれ。
あまりにスリムなためか、線の細い感じにちょっとハラハラさせられるような風情があって、それもまた魅力のひとつ?
しかし今回は今までの作品とはちょっと勝手が違い、戸惑う感じもありました。
ふたつの泉鏡花作品は、ひとつは海の底に住む一族(まあ早くいえば竜宮城の住人たち)と、生贄となって一族の公子に輿入れしてくる美女の物語。
もうひとつは白鷺城の天守に住むこれまた魔界の姫君と、清らかな心を持つ人間の若者との物語。
どちらも徹底したファンタジーで、衣装も舞台装置も台詞まわしも歌舞伎というより演劇風。
不勉強にして泉鏡花の原作を読んだことがないので、違和感があったことは確かです。
観た限りでは魔界と人間界を対比させることで、乱暴に言っちゃえば人間界の醜さが浮き彫りになる・・というようなニュアンスかなあ。
昼の部が終わり、舞台装置の入れ替え
などということは後から考えたことで、観ている時は玉三郎と海老蔵に釘づけですから(笑)
親子ほどの年齢差があるふたりですが、もちろんそんな事を感じさせる玉さまではありません。
あの美しさはほんと、実際異界に半分足を突っ込んでいるような。
今回は演出もご自身でやっていますから、その思い入れは大変なものでしょう。
意外なこと?に休暇には南の島でのダイビングが趣味なのだそうで、その時に見る海底の光景が舞台にも反映されていたのかも・・。
美女が乗った龍の顔が可愛かったなあ。
「天守物語」ではうしろのスクリーンの空飛ぶ駕籠が笑えました。
何だか宮崎アニメみたいで。
イヤホンガイドで言ってましたが、
歌舞伎は江戸時代から何万と上演されているけど、たった1回のみ、という作品も多いとか。
そうやって淘汰され、厳選された作品が生き残るわけで。
古典芸能といっても、考えてみれば平成になってからも新作は生まれているわけですから、決して昔の芸能というわけではないのですよね。
でも今回は、これって歌舞伎なのかなあ・・という疑問もチラチラ点滅。
そのへんの線引きもこれからの課題なのかもしれません。
ところで今回の夜の部は2階の西桟敷席。
といっても後列なので2等席ですが。
でも靴を脱いで座る掘りごたつ方式の席、テーブルもあるし、楽なこと![]()
じゃあビールいっちゃいますかと夕食にビールを飲んだのがいけなかった。
前日寝不足のせいもあり、強烈な眠気が。
おかげで「天守物語」を見ながらうとうとするという贅沢をしてしまいました。
前列は花道も見える一等席
やはり一番良かったのは「夏祭」の大詰め、殺しの場面での団七の立ち回りだったのですが、さすが2等席、花道が全く見えないのです。(どころか下手も殆ど見えない)
イヤホンガイドで「団七の花道での見得と引っ込み、海老蔵一番の見せ場です」な~んて解説を聞きながらもう悔しいのなんの。
そこで悔しまぎれに一句
花道は心の目で見る夏芝居 (笑)
2階以上は花道が全く見えない席が多いって、それはやっぱり問題ですよ。
しつこいようだけど、新しい歌舞伎座となった折には、くれぐれもそのへんの配慮を願いたいものです。
終了は夜9時。大急ぎで夜景を撮り、メトロにまっしぐら。
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■日時:2009年7月20日(火)16:30〜
■劇場:歌舞伎座
■演出:戌井市郎、坂東玉三郎
■出演:坂東玉三郎、市川海老蔵、片岡我當、中村勘太郎、中村獅童、他
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おはようございます。
海老蔵はユニクロに肌着の大きなパネルが飾ってあります。見ましたか?逞しくってかっこいいですよ。
獅童はシネマ歌舞伎「ふるあめりか~」でいいな~!と思っていましたので今回は期待通りでした。
勘太郎はお父さんの勘三郎の声に似てますよね。七之助よりいいかもなんてね。
玉様はそこにいるだけでオーラを感じました。
カーテンコールのとき大向うから声がかかりました?ブラボーと叫びたいくらいでしたが。
今月はビールを飲んでないのに疲れました。
投稿: yattiy | 2009年7月22日 (水) 09:55
☆yattiyさん、こんにちは♪
ユニクロ、そういえば見たことあります。
確かにあれは逞しかったですね。
スリムといってもただのスリムじゃなかったんですね。
勘太郎ですが、最初勘三郎と思い込んでいて、顔を見てあれ?なんて。
「五重の塔」も良かったけど、天守物語になるとがらりと変わってちょっとおちゃめな亀姫。守備範囲は広いようです。
彼に限らず皆1日で何役もこなして・・もう感服。
カーテンコール、やりましたね~
先日はカーテンコールに限らずあまり声はかからなくて、ひたすら拍手でした。
ああいう時はブラボーでもいいのでは?
玉さま、いつもながら凄みを感じる美しさでしたね。
廊下で年配の女性が「別の世界に連れていかれるみたいだった」
なんて話していました。同感です。
投稿: 雪うさぎ | 2009年7月22日 (水) 14:51