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2009年7月13日 (月)

写楽


先日WOWOWで観た「写楽」が面白かった。
もう10年以上前の映画だが、ちゃんと観たのは今回が初めて。
江戸時代、役者絵で一世を風靡するものの、その正体はナゾとされている幻の浮世絵師、写楽。
あくまでもフィクションであり、想像であるストーリーだが、それなりに楽しめた。

Syaraku5












監督は篠田正浩、そして企画、指揮をフランキー堺がとっている。
フランキー堺は写楽の研究家でもあるそうで、ずっと以前から映画化を望んでいたそうだ。
当然自身で写楽を演じたかったのだが、年齢的に無理があり、写楽の才能に惚れ込んで売り出そうとする版元、蔦屋重三郎を演じている。
これがもう主役(写楽は真田広之)も霞むほどの存在感で、カッコいいといったらない。
病死する映画の結末と同様、この翌年に亡くなってしまったことを思うと、昔々の「私は貝になりたい」などの名演技も思い出され、しんみりとしてしまう。

Syaraku3











また同時代に活躍し、江戸爛熟期の文化を担った芸術家たち、
浮世絵師の歌麿をはじめ、若き日の滝沢馬琴、十遍舎一九、葛飾北齋 鶴屋南北などが登場してくるのも面白い。
時の老中、松平定信の奢侈禁止令に苦しめられながらも、ささやかな楽しみを求め、活きいきと暮す江戸庶民の活力は、現代の我々にこそ求められるものではないだろうか。
CGを使った江戸の町の風景や、吉原の花魁道中なども美しく、楽しめる。

Syaraku4













そして何といっても、役者絵といえば歌舞伎ですよ。
江戸時代の歌舞伎のシーンがふんだんに出てくるのがこたえられない。
重要文化財である四国、金毘羅の金丸座で撮影された歌舞伎のシーンは、人間国宝の中村富三郎が当時の市川團十郎を演じ、市川團蔵(こちらは現代の・・ややこしい)と共に「助六」「暫く」「床下」などの歌舞伎のさわりを見せてくれる。
ああ江戸時代にはこんな雰囲気で歌舞伎を見ていたのね・・
それと同じものを現代でも見られるって、けっこうすごいことかも。
金丸座ほどではないけれど、歌舞伎座にもほんの少し、当時の雰囲気が残っているんだなあとしみじみ。
でも建て替えられてしまったら、もうそれも全くなくなってしまうのだろうなあ。

Syaraku1













話がちょっとずれるけど、歌麿や写楽のプロデューサーであり、スポンサーであった蔦屋重三郎など、儲けるだけでなく、才能のある若者を見つけ、それを育てることに情熱を注いでいたわけでしょう?
古今東西、桁はずれの金持ちは多く、そのお金を結果的に天才的人材の育成とか、あるいは文化の保存や向上に役立てた、という例はいくらでもある。
100億くらいぽんと寄付して、これで新しい歌舞伎座を作りなさい、な~んて人いないんですかね。

Syaraku2_2












まあ今の日本では、例えばどこかの大企業の会長あたりがそんな事を申しでたら、そんなに儲かっているのなら製品をもっと安くしろとか、従業員の給料に回せ、とか言って叩かれるに決まってるけど。
「金持ちは悪、貧乏は善」という図式が昔から抜き難くあるようですから。
何でも自分のレベルに引きずり下ろして考えなきゃ気がすまないのか、
マスコミが首相のホテルのバーで飲んだドリンクの値段を調べて、サラリーマンにはどうのこうの、などと書くなんて、いじましいったらありゃしない。


お金持ちはどうぞ景気良くお金使って下さいよ。
出来ればそういうことにも目を向けて、次々と破壊される文化の危機を救ってくれる人が現れないかしら、な~んてあり得ないことをつい考えてしまうのです。


(そういう自分はどうやって歌舞伎座のチケット代を捻出しよう・・と日々悩むビンボー人ですが、ハイ weep


すいません、話が思いっきりズレました。m(_ _)m

「写楽」

1995年製作
監督 篠田正浩
原作 皆川博子
出演
フランキー堺 真田広之 岩下志麻 葉月里緒菜 佐野史郎
坂東八十助(現・三津五郎)中村富十郎 中村芝雀
加藤治子 他



写楽 Sharaku [DVD]



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