歌舞伎♪初鑑賞2 / 鷺娘
「鳥肌が立つ」という言葉があります。
本来は不快感や恐怖を感じた時に使われるものなのに、最近は感動した時、素晴らしいと感じた時などに使われることが多く、これは誤用だ、と書いてあったものを読んだことがあり。
でもこれに限っては私は賛同出来ない。
何故なら素晴らしいものを見て、本当に鳥肌が立ったことが何度もあるからです。
誤用だと言われても、実際に鳥肌立っちゃうんだから仕方ない。
何度かあるそのひとつが、アンナ・パブロワによるバレエ、「瀕死の白鳥」の映像を見た時のこと。
そして今回坂東玉三郎の「鷺娘」を観て、同じように鳥肌が立ちました。
「鷺娘」はもともと江戸時代に上演されていた舞踊の一部。
一時廃れてしまったのを、明治になってから復活させて評判になり、以後独立した人気作品に。
道ならぬ恋に身を焦がし、ついには地獄の業火に焼かれて息絶える鷺の精。
玉三郎の鷺娘はずいぶん前から当たり役として評判でしたが、今回やっと見ることが出来て、その美しさ、迫力にほんとに圧倒されました。
登場した白無垢姿から何度もの引抜、ぶっ返り(一瞬にして衣装を変える技)を経て、地獄の責め苦の苦しさを訴えるラストはまさに圧巻。
降りしきる雪の中で苦痛にのけぞるそのしなやかな姿態は、荒川静香のイナバウワーも色褪せる美しさ。
(こちらでちょっとその雰囲気を・・・・)
あとで調べたら玉三郎はバレエダンサーとしてもプロに遜色のない実力の持ち主だそうで、なるほど・・どうしても「瀕死の白鳥」を思い出してしまうのは、やはりその要素をかなり取り入れているんでしょうね・・。
実際西欧人はこれを見て「日本版・瀕死の白鳥」(または「ジゼル」)と思っているらしいけど、逆に大正時代にパブロワのバレエを観た当時の歌舞伎役者は、「これはヨーロッパの鷺娘だ!」と言ったとか。
美しい純白の優雅な鳥に対するイメージと思い入れは、はからずも東西共通だったということでしょうか。
それにしても玉三郎がこれを初めて演じたのが1978年、
すでに1984年には世界一流のバレエダンサーが集うメトロポリタン・オペラハウスのガラコンサートで絶賛を浴びているとのこと。
もっと若い時代に踊った「鷺娘」も観たかったな・・・。
もちろんそれが今の踊りより優れているとは限らない。
歳を経るほどに、若い時には到達し得なかった美の”極み”に近づくとも言えるのだから。
それぞれ、「その時代にしか踊れない感性」がどう変化していったのか、それを追う価値は充分あったことでしょう。
やはり観たいと思ったものはすぐ観るべし!だったか・・・。![]()
ということで、二月の公演・昼の部はその玉三郎と菊之助の「京鹿子娘二人道成寺」
うわ~これまた観たいではありませんか!
すでに連日、良い席は殆どふさがっている状態のようですが。![]()
話は戻って歌舞伎座ですが・・。
建て替えてどんな形になるのか。
高層ビルに組み込まれるのだとか、正面の意匠はそのまま引き継ぐのだとか、まだはっきりしないようですが、出来るかぎり現在のイメージを残してほしい、と思うのは、
一度でも歌舞伎座に行ったことのある人なら皆同じでしょう。
何にしても何百年も続く伝統芸能が今も愛されているということは素晴らしいこと♪
良き伝統の形式と、安全を守る最新テクノロジーの華麗なる融合が、
新時代の歌舞伎の殿堂に花開きますように・・。
こちらは去年12月の撮影です![]()
☆1/28追記
と書いた翌朝、
新聞などに新・歌舞伎座のリニューアル計画全容が発表されました。
それによるとリニューアル後の建物は地上29階、地下4階、
ギャラリーやオフィス棟などを含む複合施設になるとのこと。
平成14年に国の有形文化財に指定された今の建物の雰囲気を出来るだけ残すために、欄干などは再利用し、唐破風屋根も継承されるみたい。
要するにそれが入り口部分で、今のイメージの建物の背後に29階建てのビルを背負うという感じでしょうか。
むろん劇場のバリアフリー化とともに、より見やすい座席設定も考えてほしいもの。。。
ん~まあいいか。
4年後の再オープンに期待です♪
☆2/6再追記
玉三郎の「鷺娘」ですが、
終了した1月の公演が歌舞伎座での、
というより事実上最後の上演であったことを、
ご本人がHP(今月のコメント)で書かれていらっしゃいます。
http://www.tamasaburo.co.jp/index.html
確かに・・年齢を考えたら限界だったのでしょうか。
寂しいけど、だからこそ先月行って良かった・・
ギリギリ間に合ったんだ・・と感謝の気持ちでいっぱいです。


















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