ロッキー・ザ・ファイナル
マッチョな男は全然好みではない。
ボクシングは大嫌い。
食事の時、たまたま家人がボクシングを観たりしていると、
うぇ~ご飯が不味くなる、とむかっ腹が立つ。
それなのに何故かふと、「ロッキー・ザ・ファイナル」を観る気になった。
30年も前に第1作を観ているので、ファイナルというのなら観てケジメ(?)をつけますか、という思考展開。
あらすじを読むと、ありがちだなあ、ベタだなあ、と思い、
観始めたらやっぱり思ったとおり、ベタもベタな展開。
結果的にまあ中高年へのエール、ということになりますかねぇ、
ということにしておきたいのだが・・・
あはは、白状するとほんっとに感動してしまいました。
一念岩をも通す、を体当たりで具現したスタローンに心から拍手を送りたい。
第2作から5作までは観ていないのだが、このファイナル、どうもあらゆるエピソードが第1作に直結しているようなので、
30年ぶりに第1作を観直し、そのあともう一度ファイナルを観て深く納得。
第1作から30年後。
引退したロッキーは最愛の妻エイドリアンを病で失い、今はフィラデルフィアの小さなイタリアンレストランで、客に現役時代の思い出話を語る日々。
有名人の父親を敬遠して、息子も家を出てしまっている。
することといえば妻の墓に参り、妻との思い出の場所をめぐることくらい。
その辛さから逃れ、心の内にくすぶるものを燃焼させようと、彼は再びボクシングのライセンスを取って、地元で小さな試合をしようと計画する。
そんなある日、無敵の現役チャンピオンと、往年のチャンピオンであるロッキーの、CGシミュレーション対戦がTVで放映されて話題を呼んだ。
”瞬殺”と呼ばれる現役チャンピオンのディクソンはあまりの強さで逆に人気がなく、成長できないことに悩んでいた。
そのTV放映がきっかけで、本当にふたりの試合が実現することに。
「父さんは笑いものになる」という息子の反対を押し切り、ロッキーは激しいトレーニングを始めるが・・・。
努力とか根性とかいう言葉がすでに死語になっている現在、
この映画の中では見事にそれが貫かれている。
冷笑する人もいるだろうが、私はそのまっすぐなひたむきさに打たれ、
心を揺さぶられずにはいられなかった。
他の映画は見てないので知らなかったが、スタローンってあんなに低い声で、
どちらかといえばぎこちないしゃべり方をする人だったのね。
それが演技なのか地なのかわからないけれど、愚直とも思えるようなそのひたむきさが、スタローン自身と役柄のロッキーとを完全に一体化させているように思われた。
考えてみれば無名時代に脚本を書いて売り込み、
主演、監督を務めていきなりアカデミー賞をかっさらった「ロッキー」
彼にとって、ロッキーは彼そのものだったと言って間違いはないだろう。
今回すでに還暦の肉体をスクリーンにさらしているわけだが、それを作るために、かなりの筋肉増強剤などの薬物を使ったらしい。
そういった薬物は、副作用も強烈だと聞く。
還暦といえば、日本でいえば団塊の世代。
そうまでして、どうして?そこまでリスクをおかしてやる必要があるのかという思いがまた、役柄であるロッキーにオーバーラップする。
もう後が無い、という執念だろうか。
そこまでしてこの映画にかける思いがスクリーンから伝わってきて、何も言えなくなってしまうのだ。
第1作でおなじみのフィラデルフィア美術館の階段を駆け上がる彼に、昔と同じ、心からのエールを送りたくなってしまうのだ。
終盤、ラスベガスで行われる試合のシーン、
ボクシングのキライな私も釘付けだった。
チャンピオンとの激突の息を呑むような迫力と同時に、
ロッキーの頭に去来する懐かしいシーンが打ち合いの間にフラッシュバックのように挟まれるなど、趣向のこらされた映像美も楽しむことが出来る。
義兄でもあるポーリーとの変わらぬ友情、息子との和解、第1作に出てきた元不良少女、今はシングルマザーとなっているマリー親子とのふれあいなど、
数々のエピソードにも心あたたまる。
シリーズものは第1作以外は駄作、というのはほぼ正しいが、(実際私の観てない2~5作は駄作と言われているらしい)これに限っては例外だ。
第1作を観た人は、ぜひファイナルを観て完全燃焼して下さい。
お勧めします!
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