ローリング・ストーンズのレコードは3枚しか持っていないが、中でも好きなのはこの「ローリング・ストーンズ・デラックス」
R&Bを中心とした初期の傑作集だ。
「南ミシガン通り2120」の流れるようなハーモニカは特に印象的。
ハーモニカの演奏は、むろんブライアン・ジョーンズ。
1969年7月、元ローリング・ストーンズのメンバー、ブライアン・ジョーンズの死はラジオで聞いた記憶がある。
7月3日未明、ブライアンは自宅のプールの底に沈んでいるのを発見され、急いで手当てをされたがすでに死亡していた。
原因は不明ながら、日頃常用していたアルコールやドラッグの影響での溺死、とされたようだ。
享年27歳。ローリング・ストーンズを脱退したわずか1ヵ月後のことだった。
何故?どうして?と動揺した反面、こういう死に方は彼にふさわしいのかも・・と思ったことも確かだ。
何故彼がストーンズを脱退してしまったのか、本当に残念に思っていたけれど、当時でも荒れた彼の生活はその虚ろな眼にあらわれていたし、メンバーの中で次第に孤立していった様子も見ていればわかる気がしていた。
だからもしかして自殺?と思ったりもした。
もともとブライアンはストーンズの創立者であり、当然チームのリーダーだった。
楽器に関しては天才的なセンスを持っていて、どんな楽器でも少しいじれば弾きこなすようになったという。
R&Bが好きでその追求に固執し、「ぼくらはビートルズにはならない」と宣言して、ストーンズをその路線でのばしていきたいようだったが、「サティスファクション」以後、それががらりと変わってしまう。
要するにもっと一般受け?する路線に変更されたわけだ。以後、ミックやキースが数々のオリジナル作曲を始めてそれが大ヒットし、R&Bに固執するブライアンはしだいに居場所を失くしていく。
初期のファンを少し失ったものの、「サティスファクション」以降は爆発的に新しいファンが増え、ストーンズはビートルズと肩を並べる、世界のグループにのしあがっていったのだ。
脱退した・・というよりクビを切られた・・というのが本当のところかもしれない。
自分が作ったバンドを追い出された彼の胸中はいかばかりだったか・・
そして待ち受けていたのは思いもかけぬ悲惨な死だった。
でもね、私にとってのストーンズは、やはりブライアンあってこそ。
だから彼の死以降、ストーンズを聞くことはやめてしまった。
たった数年の「ストーンズファン」だった。
ビートルズはすでに古典となった今も、驚くことにストーンズは健在で、精力的に活動を続けている。
「お~、ミックもキースもがんばっているのね♪」と嬉しくはなるが、たまに聞くのは昔の曲ばかり。
何でブライアンはあんなに魅力的だったのかなあ・・・
悪と退廃の匂いがプンプンして、現実にそばにいたら絶対嫌いなタイプなんだけど、理屈ではなく官能で惹きつけられちゃうキケンな魅力。
事実高校時代から女性問題を多く起こしていたワルだったらしいが、あの音楽にかける情熱はストイックなほどで、職人気質に似たものを感じるくらいだった。
2005年に公開された映画「ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男」今年の春にWOWOWで観た。
ストーンズの設立からその栄光と挫折、 恋愛、音楽や女性をめぐる他のメンバーとの確執などが綿密な調査をもとに描かれている。
彼の死には謎が多く、真相は不明だったが、この映画では衝撃的な真相が明かされている。
ブライアンを演じるレオ・グレゴリーがすごい。
ミックなど他のメンバーもどきりとするほどよく似ている。
当時のサイケな雰囲気やファッションなども見ものだ。
往年のファンはもちろん、ブライアンを知らない今のストーンズファンが観ても楽しめるだろう。
それにしても惜しまれる早世。
7月3日といえば彼が亡くなった2年後の同じ日、
ドアーズのジム・モリソンがやはり27歳で亡くなっている。
27歳といえばロック・シンガーの厄年?なのか、ジャニス・ジョップリンやジミ・ヘンドリックスも27歳で死亡している。
まあ遠い昔の話になっちゃいましたけどね。
ブライアンの忌日。
でも彼の素晴らしい演奏は生きている。
白ユリを一輪挿し、久しぶりにストーンズを聞いて、彼を、まばゆかったあの時代を
偲ぶことにしましょうか。
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