西暦2057年
太陽の活動が衰え、寒冷化した地球で人類はこのままでは死を待つばかりの状態に。
その死にかけた太陽を蘇らすべく、決死の「イカロス計画」が敢行されていた。
地球上のあらゆる核物質を集めた超弩級の核爆弾を太陽に投入して、太陽を活性化しようというのだ。
カネダ船長以下、パイロットや各専門分野の科学者たち8人のクルーが宇宙船イカロス2号で太陽に向かっていた。
しかし太陽に近づくにつれ、 予想もしなかった事態が次々にイカロスを襲い始めて・・・
のっけから2057年てところであまりにも現実離れしてますねえ。
現実には温暖化で大騒ぎしてるというのに、わずか50年で太陽が冷えちゃうわけないぢゃん。
まあ規定通り太陽が衰えるのを待っていたらその頃人類なんかもういないだろうから、お話にならないことは確かだけど。
律儀に「イカロス」って名前もどうかと思う・・
だって言うまでもなく、ギリシャ神話のイカロスは太陽に焼かれてしまう縁起の悪~い名前なのにね。
それにそれだけの科学力があるのなら、いっそ地球専用のミニ太陽を作ったほうが早いんじゃないの・・?
などとひそかに突っ込みつつ観始めたのだが、最初はとても良かった。
寒冷化した地球の描写などは一切出てこず、いきなりイカロス船内から話が始まるのだが、この手法は観客を一気に集中させることに成功したと思う。
計算し尽された宇宙船内外の機能美やインテリアは「2001年宇宙の旅」の時代から確実に「未来」へ近づいたのだと実感させてくれるし、接近するにつれ迫力を増す太陽の映像が息を呑むほど素晴らしい。
ああこんなSFを観たかったのよ・・・と喜んだのもつかのま、
失踪したイカロス1号を発見してから次々と事件が起こり始め、これはもうサスペンス映画だな・・なんか「11人いる!」化してるし、などと思う間もなく後半は一気にエイリアンも裸足で逃げ出すようなホラー映画と化してしまった。
私的には「エイリアン」路線はまったく好みではないのでがっかりしたのだが、評を探してみると酷評する人と、熱烈に評価する人とに二分されているのが面白い。
確かに強烈な個性のある映画なので、好きな人(この監督のファン?)にはこたえられないインパクトがあるのだろう。
私などは後半のあの神経が逆なでされるようなサブリミナル映像のあたりから、もう好きにして、と半分リタイア状態だったのだが・・・
それと毎度のことながら、あちらのSFの科学VS神の構図はどうも理解し難い。
実際あちらの宇宙飛行士で宗教に走った人は多いらしいが、もともと地球上のあらゆるもの、石ころにも露ひとしずくの中にも昔から「神」を見ていた日本人(だけではないが)には科学と神は対立するものではなく、根本的にその感覚が不可解なのかもしれない。
それでも、冒頭の宇宙船の姿や展望室から見る太陽
イカロスとの静かな対話(宇宙船イカロスそのものが人格?を持っているわけね。 これは「2001年宇宙の旅」のハルと同じ)
酸素と食料供給のための見事な菜園、ストレス解消のための癒しの「地球室」など、実現したらこうなのだろうなとわくわくするようなシーンは忘れ難い。
殊に太陽の表面を水星が横切っていくシーンは圧巻。
映画館の大画面で観たかったなあ、 と思わず嘆息したくらいだ。
そうなのだ。
今はVFX(といっても詳細を理解しているわけではないのだが、要するに特殊な視覚効果?)でどのような映像も作れちゃうのだ。
例えば私たちの世代で現実の宇宙旅行などとうてい実現不能だが、VFXでならそれが可能ではないか。
太陽系の彼方まで、バーチャルの宇宙旅行・・・
はるかに地球を眺めながら金星、火星のそばを間近に通り過ぎ、 小惑星の海をつき進み、木星の大斑点をまの当たりにし、衛星めぐりをする。
土星の輪の間をくぐり抜ける。
彗星のすぐ近くに行って、その姿を眺める。
さらには太陽系を抜けて、ボイジャー1号を追い越して・・・・
別の恒星系ではどんな光景が見られることか、考えただけでわくわくする。
それも3D映像だったりしたら、きっとスゴイよね♪
映画による宇宙遊覧。
う~ん、そんな映画を誰か作ってくれないかなあ、なんてかなり真剣に考えてしまった。
「サンシャイン2057」
2007年アメリカ
監督 ダニー・ボイル
出演 真田広之 キリアン・マーフィ ミシェル・ヨー 他
ところでこの映画で主演したキリアン・マーフィ
最近注目されている俳優らしい。
別にブルー・アイが特別というわけでもないのに、あの強烈な印象は何なんだろう?
と興味をそそられて観たのがこちらの映画
いや素晴らしかったです。
サンシャインとあまりに印象が違うので最初はハンパでなく混乱した。
何しろゲイになりきっていますから・・・あまりにもお見事、完璧
でもとっても後味の良い素敵な映画だった。
70年代のヒット曲に乗り、流れるように進むストーリー
アイルランド紛争のテロ事件なども織りこまれてシリアスな部分もあるのだが、(というより冷静に考えれば彼の人生そのものがシリアスなのだが)
「シリアス」は切り捨てる常に自然体で前向きな主人公につい引き込まれ、終わりの頃には彼(彼女)が大好きになっている。
生きることはやはり素晴らしいな、って思える映画ってやっぱり最高ね
お勧めですよ♪
「プルートで朝食を」
2005年アイルランド・イギリス
監督 ニール・ジョーダン
出演 キリアン・マーフィ リーアム・ニーソン スティーブン・レイ 他
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