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2007年9月30日 (日)

より深き地獄へ・・「天国と地獄」から「犯人に告ぐ」へ


もうかなり経ってしまったので思いっきりマヌケな話題だが、 9/8にテレ朝で放映されたドラマ「天国と地獄
言わずと知れた黒澤明監督の名作映画のリメイクだった。
あの映画は黒澤の中でも特に好きな作品だったのでどんな風に料理してくれるのかと思ったら、 ストーリーはそのままで現代に置き換えるというよくあるパターン。
佐藤浩市や阿部寛は好きな俳優だし、 平田満の演技力は抜群だし、 映画を超えることはむろんあり得ないけれどかなり期待して観たのだが・・



Tengokutojigoku 何かこう、 時代の変換とその差をつくづく感じてしまった。
はっきり言ってこのストーリーを現代に持ってくるには無理があり過ぎる。
舞台を映画の横浜から小樽に置き換え、 映像的には楽しめるものではあったが、
いかにせんストーリーは現代ではもう違和感満載という感じなのだ。
何よりも「人間」が違う。
黒澤の描いた終戦からまだ間のない昭和30年代の人間と現代人との、
人種が違うのでは? と思うほどの甚だしい乖離を見せ付けられるようで呆然としてしまった。
明にしろ暗にしろ底知れぬエネルギーを持っていた当時の人々の姿は今の時代には再現不可能であり、 もし再現できたらそれはまたすごい違和感だと思うのだ。
これは俳優が悪い、 というわけではない。
現代人とあのストーリーのアンバランス とでもいうのだろうか。
だからいっそ時代設定を変えずリメイクするか(そうすれば俳優も当時の人間をそれなりに再現できるはず) 現代に持ってくるのならそれに合わせ、
大幅に設定を変えるべきだったのでは?
例えばもっとも違和感を持ったのは 犯人である竹内。
映画と同じように病院のインターンという設定だが、 一般的に言って現代ではインターンすなわち恵まれた境遇にいる若者、 という図式が確定している。
従って「あなたの家が天国に見えましたよ」なんてセリフはまるで説得力が無い。
そう言わせたいのなら例えば・・・・仕事をしたくても正社員にはなれず、 低賃金のバイトばかりで将来設計のメドも立たず閉塞感に苛まれる若者・・等、 現代ならではの現実的プアな状況がいくらでもあると思うのだが。


何よりここで描かれる「誘拐」は現代ではあり得ないかも・・と思われるのが何とも悲しい。
許せない犯罪ではあるが、 誘拐した子供に危害を加えることもなく、
身代金と引き換えにでも ちゃんと返してくれるという顛末を 
現代に頻発するおぞましい誘拐事件と比べて嘆息してしまうのだ。
私たちが子供の頃 「遅くまで遊んでいると人さらいにさらわれるよ!」と言われても「うちはお金持ちじゃないから大丈夫だもん」なんて笑いあったものだった。
誘拐すなわち身代金目当て。
だから普通の家の子には関係ない、 というのが常識であり、事実だったのだ。

☆    ☆    ☆    ☆  


Hannin2 そして偶然だがこれを観る数日前に、 かなり前ビデオで録画しておいた
犯人に告ぐ」を観た。
これはWOWOWが制作した映画で10月27日から公開される。
それを6月だったか 先行して放映したのだった。
この秋に公開する映画を いくらWOWOWの中だけとはいえ、
公開しちゃっていいのかしらね??
まあ面白かったけれど、 さらに映画館へ行って観直すという気にはなれなかったが・・・

Hannin_2  こちらは雫井脩介の原作を映画化したもので
誘拐事件にかかわる「劇場型捜査」を描く。
劇場型捜査といえばアメリカ映画「身代金」を思い出すけれど、
「犯人に告ぐ」はあくまで警察側から描いたもの。
豊川悦司演じる刑事が 連続児童殺人事件に奇抜な方法で挑む。
これは公開前なので詳しくは書かないが、人間も犯罪も「天国と地獄」に比べ現代そのもの、
そしてその現代に生きる、良くも悪くも人間の姿が非常に良く描かれていると思った。
どんな時代でも光と闇がある。
けれど昔のわかりやすさに比べ 今のこの国が内部から腐食して溶解していくような感覚は現代ならではのものだろう。
何ともやりきれない誘拐殺人の動機は 「天国と地獄」の時代には考えもつかなかったに違いない。
それは決して映画の中だけの話ではない。
日本中を震撼させたサカキバラ事件から10年、
似たようなおぞましい事件は頻発し続け、もう誰も驚かなくなってしまった。
この世界は酸性雨に打たれるように知らず知らず腐食を続け、
私たちは蝕まれていることにさえ気づかず 新たな地獄にはまりこんでいるのかも 。
多分昔の人が見たら、よくこんな不気味な世界で生きていけるな・・と思うかもしれない。


WOWOWで思い出したが 先日4日連続で放映した「飢餓海峡」は良かった。
映画「飢餓海峡」といえば水上勉原作 内田吐夢監督 三國連太郎主演のこれまた名作中の名作(1964年)
10年に1度くらいの割合でTVドラマ化されているようだがこれは1978年版。
藤真利子の鮮烈なデビュー作でもあった。
もちろん時代設定もそのまま、時間が長い分描写が細やかで、
映画とはまた違った面白さがあった。
でもまあリメイクとはいえ1978年といえばもう30年も前なのですねえ。
本当に”昭和も遠くなりにけり”・・・・・・ 


(なんかWOWOWの話ばかりになっちゃったけど 
別にWOWOWの回し者ではありません σ(^^)

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コメント

('-'*)オヒサ♪
雪うさぎさんの文章ですよね、
久しぶりに読ませてもらいました。

「天国と地獄」最初の数分みたのですが、
それで止めました。
リメイクするよりも、そのまま「天国と地獄」を放送してほしかった感じですね。
TVドラマの「砂の器」もなんか違和感が、
いまひとつ残ったし・・・

そそ、σ(^_^)アタシは
http://kimamaniyoutube.blog78.fc2.com/
で「砂の器」(パンドラTV)で見ましたが、いま調べたら消されてるようです。
でも、この間の連休に「相棒」みましたが、
ついつい面白くて時間を忘れてしまいました(笑)

http://kimamaniyoutube.blog78.fc2.com/blog-category-16.html

でもすごいって言うか、この間放送したばかりの「壁おんな山おんな」もう投稿されてます。
このサイト以前にyoutubeでThe Carpentersを教えてもらった人に教えてもらいましたが、
なんかよく知ってるって感心ですねε=( ̄。 ̄;)フゥ

NNさん お久しぶり~(=^∇^)ノ”
NNさんのHPを時々見に行っていたのですが
何ヶ月も書き込みが無くて心配していたんですよ
最近復帰なさったようだったので ああご無事だったのねとほっとしていたところです♪

リメイクはやはりオリジナルを超えられないですよね
先日の「天国と地獄」の翌日は「生きる」でしたが
これはもう松本幸四郎が主演という段階でNGでしょう
でも原作があるものだと こういう解釈もありか という見方ができるのかな

「砂の器」のドラマ版は好きじゃなかったです
映画のほうはものすごく良かったので 
あえて違う路線をねらったのかもしれないですけどね
あの映画は本当に素晴らしかった
テーマ曲「宿命」をバックに親子が放浪する場面が忘れられないです

「壁おんな山おんな」って面白そうだなあと思っていたのですが 結局見ずじまいでした
こんなに色々見られるサイトがあるんですね
youtubeでは私も時々面白い動物の画像などを見ています
まあ映画やドラマはやはり大きな画面で観たいですが
TVも知らない間に進化しつつあり 
レンタル屋さんにDVDを借りに出向く必要も遠からずなくなりそう・・・

>>最近復帰なさったようだったので ああご無事だったのねとほっとしていたところです♪
ありがとう・・・
σ(^_^)アタシもヒソカニ覗いてました(^^;;
なんか’連ちゃん’で海外ってすごいなぁ~って感心してました(^^;;

まぁ、ネットへ接続してる間は、
こさせてまらいますね・・・
のんびり行きましょう。

>のんびり行きましょう。

はい そうですね♪
私なども こんなブログ書いても何の役に立つわけじゃなし・・
などと自己嫌悪に陥ったりしていますが・・・ (;^_^A

そのうちまたお花の写真でも持ってお邪魔にあがりますね~(^.^)/~~~

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