かもめ食堂
「癒し系」という言葉があまり好きではない
なんて言うのもポーズのひとつであると言えないこともなく 今の世の中を見ていたら「癒されている場合か」と思うことも多いから 別に「癒し」が悪いわけではないのだが恥ずかしげもなくそれを前面に出してくるなよ! と思ってしまうのかな
で 本人はどうかというと あはは「癒し」とは言わないだけで 実はもちろん人並に「癒される」ことは好きなのであります
ということが前フリになるかは置いといて・・
「かもめ食堂」を観ました
公開された時映画館で観たかったのだが近所のワーナーマイカルやシネプレには来なかったので観られず
先日何気なくTHUTAYAに行ったらDVDが出ていたのでさっそく借りてきた
つい最近発売されたものらしい
2度ほど眠りそうになったけど それも含めて良かったです とても
舞台は何故かフィンランドのヘルシンキ
夏の日 街角に「かもめ食堂」というレストランがオープンする
オーナーは日本人女性のサチエさん(小林聡美)
おにぎりがメインの レストランというより日本でいうところの「食堂」
しかし通りがかりに興味深げにのぞく人はいても誰も入ってくる人はいない
それでもサチエは悠然と動じず 食器を磨くだけながら店をオープンし続ける
やっとやってきたお客1号はニャロメのTシャツを着た日本アニメおたくの青年トンミ
彼に「ガッチャマン」の歌詞をおしえてほしいと頼まれるのだが出だししか思い出せない
それが気にかかって仕方ないサチエはある日図書館のラウンジでムーミンの本を読んでいた日本女性に ガッチャマンの歌詞を知らないかと尋ねる
彼女 ミドリ(片桐はいり)は戸惑いながらも完璧なガッチャマンの歌詞をすらすらと書いてくれたのだった
それが縁でミドリは「かもめ食堂」を手伝うことに
ふたりが焼いたシナモンロールがきっかけで 序々にお客がやってくるようになる
そしてもう一人 ヘルシンキに着いたもののいつまでたってもロストバゲッジの荷物が出てこないというマサコ(もたいまさこ)も加わって・・
美味しいコーヒーの極意を伝授して去っていったナゾの男や お酒をあおってひっくり返るナゾのおばさんなど 3人に加えていくつかのエピソードが描かれるのだが あくまで淡々としていて別に事件が起こるわけでもないし そもそもナゾだらけの3人についての「真実」が明かされるわけでもない
3人の過去やなぜフィンランドへ来たかという現実的なことは断片的かつおぼろげにしか示されず もしかしたら いやもしかしなくてもそれぞれ人一倍重いものを抱えているのだろうが それを描くことはこの映画をぶちこわすことになるのだろう
どこかつき抜けた3人のキャラクターが全編を流れるある種の静かな無常感とあいまって 映画全体にソフトフォーカスをかけたような雰囲気をかもし出している
空気がきれいで フィンランドの夏だから白夜で 森も湖もきらきらと輝いているのであろう(実際に映像としては殆ど出てこない)そんな町で淡々とおにぎりを握り 料理を作り コーヒーを淹れる
何だか別次元のフィンランドであり 逆に一日の大半が闇に閉ざされる「冬」が想像できなくて 静かな夏が永遠に続くような雰囲気ではある
そんな風におとなのおとぎ話として観るのもいいかもしれない
原作は群ようこ 監督は荻上直子
個性派の女優たちがその本領を発揮して演じる三人三様の女性が何ともいえず良い
冒頭 図書館でサチエとミドリが「ガッチャマン」をハモる場面は秀逸
最初はやぼったい服の冴えないおばさんに見えたサチエがどんどん輝いてきて とても魅力的な美人に見えてくるのが不思議だ
よく知ればすごくすてきな人だってわかることありますよね
その典型で これは多分見ているほうの変化
何とも気持ちの良い気分にさせられる
「かもめ食堂」のメニューはおにぎりのほか 鮭の網焼きやトンカツ 豚肉の生姜焼 肉じゃがなど
たっぷりの野菜が添えられたそれらのお料理 ほんとに美味しそうで食べたくなってしまう
「ハラゴシラエして歩くのだ」
三人がこれからそれぞれどこへ歩いていくのか それは誰にもわからない
さわやかな風の吹き抜けるような映画
お勧めです ぜひご覧あれ♪










最近のコメント