風邪を良いことに家人に犬の散歩を押し付け
久しぶりに録ったままほったらかしておいた映画を観る気に
で 観ましたのは2004年制作の「ハリウッドアクション・スペクタクル超大作・トロイ」
私としては普段あまり観ないジャンル
ハリウッドだしな ~ブラピだしな~ 監督は「アウト・ブレイク」の監督だけど全然ジャンル違うし つまらなかったらすぐ止めよう と思って観始めたのだが
結局3時間近く1度も中断することなく観通してしまった
ということで まず娯楽作品としては合格だったのではないだろうか
何といっても原作はホメロスの「イリアス」である
魅力的なエピソードに満ち 想像をかきたてるトロイア戦争の物語
恥ずかしながらジュニア向けのものしか読んだことが無いのだが その物語がどのように描かれているのか興味があった
原作と決定的に違うのは「神」がまったく出てこないこと
もともとトロイア戦争は 誰が一番美しいかを争ったオリンポスの女神たちがトロイアの王子パリスに審判を頼み 世界一の美女を与えるという約束をしたアフロディテをパリスが選んだことが発端のはず
その後戦争が始まってからもオリンポスの神々はそれぞれの都合やかけ引きや愛憎で両軍の戦士や王子たちを助けたり見捨てたりしながら話が進行していく
だから本来なら半分は神の物語なのだが 映画では人間だけの話になっている
もちろん原作ではヘレネもアキレウスも半分神の子なのだがそういう設定も無し
だから良く解釈すれば現代と変らないよりリアルな人間ドラマとなったぶん 親近感が湧く面もあるのだが
う~ん 原作通りに描いたらやはり「ファンタジー」になっただろうな・・
それはそれで観たい気もするけれど あの 時には人間より始末の悪い(!?そう思うのは不敬でせうか)ギリシャ神話の神々が登場したら 観るがわの視点はまったく違ったものになっていただろう
監督はそのへん あくまで「人間」を描きたかったのだろうか どういう視点が欲しかったのだろうか 聞いてみたい気がする
それに関係するのかどうか知らないけれど 「世界一の美女」というヘレネ ごめんなさいねぇ 逆立ちしてもそうは見えマセン(;^_^A
もっと輝きのある 戦争まで引き起したことを少しはナットクさせる美貌の女優さんを使わなかったということは
世界一といっても好みがあるし 万人が認める世界一なんてないのよと言いたかった?(笑)
彼女に恋するトロイアのパリスも腰抜けにふさわしいヤサ男
ヘレネの夫メネラオスと一騎打ちに出るものの兄の足元に逃げ帰る
人間らしいという点では却って好感が持てる とも言える?
海上 陸上とも戦闘シーンはCGを駆使していたのだろうが見事だったけど これについてはビデオで観て語る資格はあるまい(∩_∩)ゞ
3000年以上昔のこと 武器は刀と槍と弓くらいしかないし・・殆ど肉弾戦
でもそれってつい最近までやっていたことよね
登場する戦士たちは ある者は名誉を賭け ある者は栄光を欲し ある者は愛する祖国のために戦う
しかしどんな大儀名分があるにせよ これも要するにY遺伝子のなせる宿命なのか・・
人類は何万年も昔からこんな愚かな争いを繰り返していたのね(そして今も) なんて醒めた気分に
ああそうか 神々の代りにそういう俯瞰した視線で人間の愚かさ 逆に人間ならではの崇高さや愛らしさを眺めなさい ということなのかな
で 主人公のアキレウスことブラピですが今回の役は私の好みのキャラでは無し
でも熱演には好感が持てた
全編鬼神のような強さで情け容赦ない殺戮を繰り返すのだが 最後は腰抜けパリスの弓にかかとを射抜かれ あっさり殺されてしまう(原作では母のテティス女神が赤子の彼を不死身にしようと地獄の川に漬けた時 おさえていたかかとだけが水に漬からなかったという)
その彼と一騎打ちの熱闘を繰り広げたトロイアの王子 ヘクトルを演じたエリック・バナにはちょっとしびれました
まあトロイアの第一王子で国一番の勇士という役柄自体が魅力的だったせいもあるけれど・・
またヘクトルとパリスの父王プリアモスの柔和にして素晴らしい存在感
あとで配役を見てそれがピーター・オトゥールと知り 深く納得
全体的に魅力あるのは男性ばかりで 女性陣に魅力がないのは何か意図があるのかと考えてしまった次第です
それはともかくギリシャ トロイアどちらが良いとか悪いとかいう観点ではなく それぞれの人物に注がれる温かさを感じることが出来たが それが全編をつらぬいてこの映画をただの「アクション・スペクタクル」で終わらせなかったのは やはり監督の力量ではないだろうか
あ でも えっ それからどうなったの!?と言いたくなったくらい 終わり方がちょっと唐突だったなあ・・
アキレウスが死んでハイおしまい では「トロイ」のタイトルが気の毒
せめてその後の話をちょっとだけ字幕でもいいから流してほしかったかも・・・
にしても古代ヨーロッパでも 黄泉の川を渡る六文銭(?)を遺骸に付けて火葬したのね・・
「イリアス」の話は「オデッセア」へ
トロイアから凱旋したその日のうちに妻クリュタイムネストラとその愛人に殺されるアガメムノン王
パリスも戦死し メネラオスのもとに帰るヘレネ
そしてオデュッセウスの漂流と流浪
まだまだ この叙事詩の魅力ある物語は続いてゆきます・・・・
スイマセン 映画の中ではアキレウスではなくアキレス
ヘレネではなくヘレンとなっておりますです m(_ _)m
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